1968年に公開されたスタンリー・キューブリック監督の代表作。人類の進化をうながす黒い物体「モノリス」を巡る謎解きが展開される。
実のところ映画では明確な謎解きがなされないし、そもそも宇宙探検の動機も台詞で説明されない。
そうした説明描写も撮影されていたのだが、最終的に削除された。そして同時発売された小説版で設定を解説するという、今でいうメディアミックスが展開された。
今ではインターネットで簡単に作者の意図がわかるし、謎解きに悩むこともない。
ある程度まで設定を予習して観れば、SFサスペンスとして楽しむこともできるだろう。
そもそもCGなど存在しない時代に、オーパーツな特撮技術を活用して静謐で現実感のある宇宙空間が映像化されたことだけでも、充分に価値がある。
実はロケ撮影した映像はほとんどなく、冒頭の草原もほとんどがスタジオセットで撮影している。細部まで作りこんだ映像は無駄がない。