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フリームービーメモ。GYAO!、YOUTUBE、バンダイチャンネル、ニコニコ動画、等々で公式に無料配信されているアニメや映画の情報や感想

Jホラーを代表する貞子が初登場する、歴史的な傑作サスペンス『リング』(01:35:25)配信期間:2023年11月24日~12月8日

鈴木光司の同名小説を1998年に映像化した日本映画。2週間無料配信。

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TV局につとめる女性ディレクターの浅川玲子は、不思議な怪死事件を追うなかで、謎の録画映像を見てしまう。その映像による呪いをふせぐため、大学につとめている旧友の高山竜司と協力する一週間がはじまる……

 

近年の『貞子3D』などはABEMAでくりかえし無料配信されていたが、シリーズ最大の人気作品が無料配信されることは珍しい。いまだ有料でも視聴が見こめるためか、それともビデオテープという記録媒体が時代にあわなくなったためか。

とはいえ、見たら一週間後に死ぬという呪いのビデオは完成度が高く、少しずつ謎を解いていくロードムービーとしては現在でも楽しめる。手垢がついてしまった貞子登場も実際は一瞬の描写なので気にならず、ちゃんと怖さがある。

もちろん恐怖演出に古びてしまったところも散見されるが、ホラー映画が好きで一度も見たことがないのなら、鑑賞して損はない。

放射能パンチVS腕ドリル『ゴジラVSメガロ』(10:11)配信開始:2023年11月3日

ちょうど50年前に公開された『ゴジラ対メガロ』を、『シン・ゴジラ』や『ゴジラ-1.0』でVFXを担当した白組が約十分間の短編としてリメイク。

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原作はシリーズでもワーストを争う駄作とされてきたが、ダム破壊などの特撮の見せ場はあり、能天気な娯楽作としてカルト的な人気がないわけではない。

 

このショートフィルムは原作のカルト性を排除して、カブトムシとドリルを合体させたようなメガロのデザインを活用してシリアスな怪獣バトルを展開する。

肉弾でぶつかりあいながら遠く距離をとりあうバトルが斬新。熱線の応用として腕にエネルギーをためてメガロを殴り飛ばしたり、メガロも高空から突貫してゴジラの巨体をふきとばしたり、3DCGで都市を表現したがゆえの広がりある戦いが楽しい。

さらに俳優をつかってファンタジー的な異文明の脅威としてメガロを位置づけたり、電車内のゴジラ観察やユーチューバーによるライブ映像をもりこんで、現代的な怪獣描写をつくりあげた。

さすがにショートフィルムで時間がないため説明的なモノローグが多すぎたり、それでも長い物語の一部を抜粋しただけな印象になっているが、技術プロモーション的なショートフィルムと思えば問題ない。

北米を舞台にデジタルモンスターが戦う、少年少女のロードムービー『デジモンアドベンチャー02 前編・デジモンハリケーン上陸!!/後編・超絶進化!!黄金のデジメンタル』(1:04:59)配信期間:2023年11月3日18時~11月10日17時59分

新作映画『デジモンアドベンチャー02 THE BEGINNING』の宣伝として、2000年に公開された中編アニメ映画を1週間無料配信。

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ニューヨークに旅行していた少年たちの目の前で、仲間の少女が姿を消す。電脳の怪物デジモンを使役する少年少女は、謎のデジモンによって次々に異空間へ拉致されていく。

日本から来た少年たちは、ニューヨーク現地の少年と協力して、謎のデジモン「チョコモン」と戦うことになるが……

 

タイトルの表記こそ子供が一息つけるよう前後編に分割されているが、物語は一直線につながっている。描かれるのは幼い精神から生まれた執着と、傷つき失いながら成長する痛み。

東映出身で『ドラゴンボール』の劇場版を複数監督しながら、大人びて重厚な作劇で知られる山内重保

今作でも目を見張るアイデアたっぷりのアクションと、児童文学のような痛々しく観念的なドラマを展開する。

 

あまりにも陰鬱な物語すぎて、当時のファンには賛否両論ではあったが、見ごたえある作品であることは間違いない。

ちなみに当時のファンは同じシリーズでも娯楽色たっぷりの細田守作品を高評価していたが、今あらためて視聴すると現在の細田守作品に影響をあたえていそうな感じもあって興味深い。