1998年に公開された劇場版。キングレコードの公式チャンネルで2週間無料配信。
戦争終結から3年後、ナデシコの艦長のミスマル・ユリカと恋人になったテンカワ・アキトはともに行方不明になり、艦長は16歳となったホシノ・ルリがつとめていた。
ひとときの平和のなかでナデシコの見学がおこなわれたりするなかで、戦いを忘れられない者たちがうごめき、闇に落ちたようなアキトが来訪する……
會川昇など脚本家がぬけて、佐藤竜雄監督が脚本も書いたことで、あいかわらずパロディは多いがふざけたムードは消え去った。
メインキャラクターの幸福を望んでいたファンには賛否両論だったが、国家と文化の皮肉めいた関係をブラックユーモアにまぶしたTVアニメより単独作品として見やすい。
キャラクターデザインの後藤圭二が作画の全編に手を入れて、現在でも視聴にたえる精度の高い映像をつくりだしている。
TVアニメ版はGYAO!などでもくりかえし無料配信され、今回も3ヶ月前に先行配信していたが、劇場版の無料配信はきわめて珍しい。
もちろん時代を感じさせる部分はあるが、一見の価値はある作品だ。