ちょうど50年前に公開された『ゴジラ対メガロ』を、『シン・ゴジラ』や『ゴジラ-1.0』でVFXを担当した白組が約十分間の短編としてリメイク。
原作はシリーズでもワーストを争う駄作とされてきたが、ダム破壊などの特撮の見せ場はあり、能天気な娯楽作としてカルト的な人気がないわけではない。
このショートフィルムは原作のカルト性を排除して、カブトムシとドリルを合体させたようなメガロのデザインを活用してシリアスな怪獣バトルを展開する。
肉弾でぶつかりあいながら遠く距離をとりあうバトルが斬新。熱線の応用として腕にエネルギーをためてメガロを殴り飛ばしたり、メガロも高空から突貫してゴジラの巨体をふきとばしたり、3DCGで都市を表現したがゆえの広がりある戦いが楽しい。
さらに俳優をつかってファンタジー的な異文明の脅威としてメガロを位置づけたり、電車内のゴジラ観察やユーチューバーによるライブ映像をもりこんで、現代的な怪獣描写をつくりあげた。
さすがにショートフィルムで時間がないため説明的なモノローグが多すぎたり、それでも長い物語の一部を抜粋しただけな印象になっているが、技術プロモーション的なショートフィルムと思えば問題ない。