1961年の同名作品をリメイクした1996年の日本映画。おそらく初無料配信を約1ヶ月。
北海道でおこなわれていた開発で、古代遺跡が発見される。それは妖精が怪獣を封印するための場所だった。
開発関係者の子供は妖精と仲良くなるが、開発により怪獣デスギドラが復活し、妖精側の怪獣モスラと戦うことに……
米田興弘監督の初監督作品。『VSゴジラ』シリーズが『デストロイア』で完結し、ゴジラシリーズが復活するまで子供向けの正月作品として東宝が展開した。
目に見えて予算が削減されていて、あまりミニチュア特撮の見せ場はない。舞台設定もあって、ほとんど森林のミニチュアセットですまされる。見どころは合成や巨大セットを活用した小さな妖精と小型モスラの表現だ。
ただ、環境保護をうったえるメッセージがわかりやすく前面に出ていて、公開当時から上滑りに感じられた。表層的な環境保護をうったえるマスコミへの批判も、それ自体がありふれていて表層的。
あくまで子供向けのわかりやすいファンタジー映画と思おうにも、台詞にたよった話運びは感心できない。
善良なキャラクターも没個性で、主張が説得的に描けていない。良くも悪くもキャラクターとしては悪の妖精ベルベラが魅力的なくらいだ。
先住民から奪った北海道という舞台設定なのだから、もっと活用すれば実感的なストーリーが展開できたのではないかと惜しく思う。