米英仏にベルギーが合作したディストピアSFアクション。人体損壊やセックスシーンがあるためか、要ログインのR15。字幕と吹替で二週間無料。
膨張をつづける人口に対応するため、遺伝子組み換え食品が普及し、皮肉にも多胎児がよく生まれるようになった世界。
子供は一人を残して他は冷凍睡眠することが社会的に決められていたが、セットマン家は七つ子をこっそり育てていた。
監視から逃れるため曜日ごとに異なる子供が外出し、30年たった2073年。月曜日担当が職場から帰ってこなかった……
『処刑山』シリーズのトミー・ウィルコラが監督。ひとりの女優がメイクや合成やカメラワークを活用して、個性たっぷりな7姉妹を演じる。米国ではネットフリックスが配給した。
陰鬱なディストピア作品か、あるいは『世にも奇妙な物語』のようにシンプルなSFかと思いきや、前半で早めに銃撃戦がはじまる。
ちょっと予想外のジャンルだったので最初は面食らったが、アクション映画としての質はかなり高い。
近未来らしい技術は銃のセキュリティくらいにしぼり、7姉妹の身体的特徴をつかってトンチのきいたバトルを展開。貧しい近未来の道具で必死に格闘する演出がきまっている。敵はプロフェッショナルだが、さまざまな制限をかして、7姉妹が対等に戦える説得力を用意しているのもいい。
ディストピア社会の闇は予想できたが、月曜日担当が消えた謎を中盤で出会う男との関係でほりさげていって、納得できる対決へと移行していった。
子供たちに未来をあたえるための社会のシステムと、7姉妹を無事に育てるための父親のシステムが、よく似ている皮肉。ハッピーエンドのようでいて、じわりと不安を感じさせる結末も味わい深い。
パッと見の印象に比べて派手なエンタメだが、最終的に期待したくらいのドラマも感じさせて、悪くない作品だった。