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独裁国家のデスゲームから、革命の種火がつきはじめる続編『ハンガー・ゲーム2』(02:26:11)配信期間:2021年6月5日~6月18日

大ヒットしたヤングアダルト小説を原作に、2013年公開のシリーズ2作目。字幕と吹替で二週間無料配信。

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デスゲームの生存者となった少女カットニスは、国家のプロパガンダにかりだされ、パレードを各地区でおこなっていた。

しかしシステム内での成功者を演じきることがカットニスにはできず、各地区にとってシステムへ反逆できる希望となる。

そこで独裁者は記念的なデスゲームで、カットニスを失墜させることを思いつく……

 

1作目の監督ゲイリー・ロスが降板し、『コンスタンティン』や『アイアムレジェンド』のような娯楽的終末映画を手がけてきたフランシス・ローレンスへ監督が交代。ローレンスはこのままシリーズ最終作まで担当した。

映画がはじまって1時間たってからデスゲームがおこなわれる1作目におどろいたが、この2作目にいたっては映画の上映時間が半分をすぎてようやくデスゲームがはじまる。約十分間のエンディングを除くと、デスゲームは1時間もおこなわれていない。

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そこで前半は独裁国家の圧政が描かれるわけで、最低限の描写はしているものの、子供向け作品なので描写はやや甘め。悪夢的な拷問や裏切りなどは描かれない。主人公がパートナーの少年を愛するのが建前か本心かという、かなり安易な三角関係で物語を引っぱる。あまりストレスなく楽しめたが、ちょっとジャンルのわりに能天気すぎないかとは思った。

しかし人気作の映画化だけあって映像に隙はなく、エキストラもVFXもしっかりしていて、近未来SFとしてそこそこ楽しめる。本番のデスゲームも、運営が恣意的に介入するので参加者の駆け引きとしては楽しみづらいが、謎かけを解いていく方向で意外なゲームらしさがあった。

 

何より、運営の約束やぶりが、反抗のきっかけになるという展開が好ましい。

システムに反抗して生き延びた主人公を追いつめるため、将来が安泰なはずの歴代ゲームの勝者を戦わせる。

生き残るため強要されたものであっても手を血にそめたことが主人公を責めさいなむ。それはきっと歴代の勝者も同じだった。

デスゲームのなかでも善性をつらぬこうとする人々が、勇気と知略でシステムに穴をうがつ。

真正面からの堂々としたメッセージを、ちゃんと伏線を引いてドラマとして納得できるよう展開できていた。