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すでにデスゲームというより独裁国家との対戦になったシリーズ完結編『ハンガー・ゲーム FINAL:レボリューション』(02:16:56)配信期間:2021年6月19日~7月2日

大ヒットシリーズ4作目にして完結編として、2015年に公開された。興行収入はのびなやんだが、堅実な映像作品。

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反乱軍による反転攻勢のなか、少女カットニスは暗殺計画に名乗りをあげる。しかし反乱側の指導者はカットニスを反乱の広告として安全地帯におこうとしていた……

 

原作小説の完結3作目を、映画は『レジスタンス』と分割して映像化。

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VFXで描写された近未来都市で、さまざまな技術の罠やクリーチャーとの戦いが描かれる。カットを割りすぎたり長回しをつかったりせず、奇をてらった演出もなく、SF的な戦争をそつなく映像化した。
映画としては前半でスケールアップしていく罠の最終系と、一転して閉塞感の強い逃走劇のホラー感が印象的だった。


これまでは人間同士が殺しあいを競わされるデスゲームだったが、今回は罠を攻略しながら進んでいくデスゲームが展開される。
しかし反乱側が罠をマッピングした装置をもっているとはいえ、国家側との情報格差は変えられない。マップに新しい罠の情報がのっていないことは劇中でも説明され、主人公チームも新しい罠から犠牲者を出していく。
前作につづいて敵味方のプロパガンダ合戦がおこなわれ、それが罠のビジュアル的な派手さと、主人公がギリギリで生存するバランスを生みだしていく。どこまでもイベントとしてのゲームだ。


結末は、これまでのような独裁者に文字どおり一矢むくいる娯楽性より、挫折の苦味をかみしめつつ未来へ向かう社会性が強い。
政治に利用されることを拒絶してきた主人公が政治に利用されるアンチカタルシスのため、シリーズで最も興収がのびなかったことも理解できる。
もちろん反逆する主人公のドラマとして成立しているが、何よりも作者が世界的な社会運動のうねりと真摯にむきあった結果のように思えた。
革命が支配者をすげかえるだけでは意味がないし、それでも革命をおこなう意義はある。けしてシニカルにおちいらず、ヒーローの行くべき道を描き切った。