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デスゲーム風味サッカーを本編主人公と相対したコンビ視点で再映像化『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』(1:30:49)配信期間:2024年11月4日22時14分~11月7日22時

2024年4月に公開された長編アニメ映画が早くも初無料配信を72時間。

https://abema.tv/video/title/420-70

何もせずにゲームだけして生きていたいと思っていた白玉高校生の凪誠士郎。彼はひょんなことから同じ高校の御影玲王に身体能力を見こまれ、サッカーの道にさそわれる。

優秀な財閥御曹司として何もかも持っていて退屈していた御影は、凪とともに弱小サッカー部を一気に全国区レベルにひきあげ、ストライカー育成機関ブルーロックにさそわれる。

そこで凪は退屈をかかえながらも御影にひきずられるように快進撃をつづけるが……

 

半年前のアニメ映画とはいえ、すでにTVアニメ2期の放映開始にあわせて地上波放送ずみではある。

止め絵に撮影効果を足す描写が多いTVアニメと同じ演出方針で、作画は現代の劇場アニメとしては弱め。

とはいえ冒頭の前日譚をはじめ、かなりの映像が新作で、主人公以外の視点はまったくわからなかったブルーロック内の別ルートの勝ちあがりを独自に楽しめる良さがある。最初から実力が高めなので、葛藤して挫折しながら成長した主人公と違って中盤まで順調に進むが、尺が短い劇場アニメにはちょうどいい。

そして退屈していた凪がサッカーの道にひきずられて始まった物語は、凪が御影の先を歩きはじめることで美しく終わる。予想外に独立した作品として完成している。

 

ただ残念ながら、凪がひとりだちして本編主人公と合流してすぐ挫折し、TVアニメ1期の展開をスピード消化してエンディングをむかえるのは、せっかくまとまったドラマがしまりをなくしたように感じられた。

たしかに本編主人公と合流してからはTVアニメ1期ですでに見た展開がつづくだけだが、これならば静止画数枚とナレーションでもっと短くまとめるか、いっそエンディングの後にダイジェストを流すような構成にするべきだったのではないだろうか。

TVアニメをふりかえるにあたって安易な総集編やダイジェストではない新作として再構成したコンセプトがよくできていたからこそ、もっと完成度を高められただろうと思える惜しさがあった。