原作者書き下ろしのオリジナルストーリーによる2017年の劇場アニメ。物語のミッシングリンクを埋めるように、拡張現実*1でのドラマを描く。
TVアニメ1期と2期を手がけた伊藤智彦監督を初め、TVアニメの主だったスタッフがそのままスライド。よりブラッシュアップしたビジュアルで世界的に大ヒットした。
シリーズ全体の発端となったデスゲーム事件を生き残った人々が、現実を舞台に安全にゲームを楽しもうとしていた。さらにAIの人気アイドルがプレイヤーを応援してゲームをもりあげる。
そこに突如としてデスゲームのボスキャラが現れた。その背後には、デスゲーム被害者の関係者にしてデスゲーム主催者の関係者の陰謀が隠されていた……
シリーズの発端となった事件の、メインキャラクターたちの視界に入らなかったドラマを記憶から掘りおこし、中途半端なかたちで終結したデスゲームのゲームとしての決着をつける。そんなドラマとして約2時間でよくまとめている。各編に登場したキャラクターをちゃんと活躍させるファンサービスもていねいだ。
ただ、主人公へライバル的に戦いをいどむキャラクターが器の小さいイキリチンピラだったり、逆にゲームを作った黒幕を感傷的に描写したりといった原作者らしい作風だけは、ちょっと好みがわかれるかもしれない。