2019年8月に公開された完全新作長編が、Abemaテレビで2021年1月に世界初無料配信され、Abemaビデオで自由に無料な期間が2週間。
クズでゲスな童貞主人公カズマに、ついにモテ期が到来する。異世界でのパーティーメンバー「めぐみん」の友人「ゆんゆん」が、世界を救うためカズマと子作りをするというのだ。
しかし全てかんちがいだった。それでも「めぐみん」の故郷の危機は事実らしいので、テレポートしたカズマは、現地の雌オークに追いかけまわされる……
無料配信がはじまったので、あらためて紹介。
あまり期待されてなかったTVアニメ1期がスマッシュヒットを飛ばし、OVAからTVアニメ2期も好評だった作品。スタッフはそのままに制作会社のみJ.C.STAFFに変更して劇場版が作られた。
ここ数年は絵作りの力が落ちていたスタジオディーンが制作したTV版も、金崎貴臣監督らしいソツのない演出と、菊田幸一キャラクターデザインのシンプルでラフだが動きを楽しませる絵作りで、元気いっぱいの映像が楽しめた。
劇場版は爆発を好む少女をフューチャーし、TV版にも増して勢いのあるアニメーションがスクリーンをド派手にいろどった。TV版につづいて映像はラフ気味だが、キャラクターデザインが総作画監督をつとめて監督1人がコンテを描いて、元気いっぱいでいて安定感がある。
全体としてゲスなエロコメだが、主人公のどの行動がクズなのかという基準がしっかりしていて、女湯をのぞいても怒られるだけですむような甘さがないのが安心できる。
あくまで外伝なので主人公側が大きく成長できないところ、なかなか勝てない敵側のドラマを描いて、けっこう感情移入させるところもうまい。
「シーメール」*1な敵幹部を美しくデザインして、男性を好む古臭い「オカマ」キャラクターで主人公を恐怖させるところは差別的と感じつつも、乙女な性格で苦労する上司の悲哀をシリアスに描いていった。最終的に映画だけで退場するのが惜しいくらい良いキャラクターになってて、視聴後の印象は悪くない。
*1:女性的な肉体に改造しつつ、男性器はそのままにしている男性のこと。