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邦題の難点を無視すれば、詩的な少女漫画のように抒情的なファンタジーホラー『ぼくのエリ 200歳の少女』(01:54:33)配信期間:2020年10月17日~11月16日

2010年に映画『モールス』としてリメイクされた、2008年のスウェーデン映画。終了間近だが、初の無料配信が約一ヶ月。

gyao.yahoo.co.jp

いじめられていた12歳の少年は、隣に越してきた12歳のエリに興味をいだく。

しかし少し変な父子家庭の娘と思われたエリには、超常的な秘密が隠されていた……

 

萩尾望都の古典的な傑作漫画『ポーの一族』を思い起こさせる、リリカルなホラー映画。後述のように邦題を忘れて見れば、なかなか良い作品。

 流血シーンなどもあるが、雪深い北欧を舞台としていることもあって、映画としては静謐。特殊メイクやVFXもそつなく、見せすぎない上品さがある。

 

原作小説のタイトルはリメイク映画と同じ『モールス』で、『ぼくのエリ』は日本で独自につけたタイトル。それは悪くないのだが、「200歳の少女」という副題をつけたことが、公開当時に批判された。

それは設定のネタバレという理由ではなく、そもそもエリが「少年」という真実と「矛盾」しているため。主人公の少年の主観を副題にしたと擁護したいが、さすがに見終えて違和感を残すのは良くない。しかも日本で公開されたバージョンでは、上記の真実が表現としてわかりづらいため、観客の誤解をまねく問題まであった。