2015年のモダンホラー映画で、チャン・ジェヒョンの初監督作品。初無料配信を一ヶ月。
フリードキン監督の『エクソシスト』を思わせる、悪魔憑きの少女を必死で悪魔祓いする神父たちの戦いを描く。
トラウマによる幻覚の可能性や、悪魔祓いのふりをした虐待の可能性をにおわることで、ぎりぎりのリアリティが生まれ、何を信じればいいのかわからない混迷を増していく。
さすがに『哭声』*1ほど難解ではなく、悪魔を信じない外部の乱入をまねきつつも、若き主人公の戦いがクライマックスとなるのだが、その舞台として広々とした街を使って、オカルトホラーとは思えないほどド派手な光景が展開されるのが楽しい。
交通事故の因縁があるという設定もあってか、次々に自動車が破壊されていく。韓国映画としても予想と期待を上回るレベルで、インフレぶりに笑ってしまうほどだった。
もちろんそこまでの悪魔祓いにも力は入っていて、少女の特殊メイクと連発される卑語の迫力は『エクソシスト』にも負けない。陰鬱な密閉空間にさまざまな小動物が現れるVFXなども見どころが多い。
外国人エクソシストが韓国人エクソシストを活躍させる対比でしかなかったり、若い主人公の初登場時のヤンチャさが本筋で忘れられていたりといった欠点もないではない。
とはいえ、全体としてモダンホラー映画として水準以上といっていいだろう。