競技カルタを題材にした末次由紀の漫画を、2016年に実写映画化。
敬遠されがちな漫画実写化映画のひとつだが、現代日本が舞台なので無理がなく、手堅い部活動テーマの青春映画となっている。
前半に当たる「上の句」は、あえてヒロインの内面はほりさげず、ふたりの少年の挫折と再生というプロットにしぼったのが良い。
まずヒロイン綾瀬千早を中心とした子供時代の三角関係は大きく省略。痛みのある過去として、真島太一という少年がカルタの神に見放された罪としての位置づけを強調。
メインストーリーは高校の部活動が舞台。綾瀬という超人にふりまわされながら、真島という少年が過去に向きあい成長する青春ドラマの側面を強めている。
もうひとりの事実上の主人公として、机くんという仇名の優等生をピックアップ。こうした部活動で数合わせとして求められる立場の痛みを掘りさげるドラマを展開した。