2011年公開の、ジョー・コーニッシュ初監督作品。1時間半に満たない小品だが、限定された状況でのアクションを楽しませてくれる。
ヒロインから強盗をはたらこうとした不良少年たちが、ひょんなことからエイリアンの群れと戦うはめになる。
頭は悪く、暴力的で、無軌道な少年たちが暴れまわる姿は下品かつ痛快だ。設定として頭が悪いから、エイリアンを見くびって行動しても不自然ではないし、危機におちいっても悲惨すぎず笑える。
エイリアンの設定や描写も現代映画の水準に達しているし、立体的な舞台を活用したアクションも素晴らしい。
もちろん、少年たちは背伸びしたチンピラというだけでは終わらない。
不良なので外部の助けを求められないということもあり、自然と孤立しながら、人とわかりあう大切さを痛感していく。そのような物語のなかで、ヒロインも少年たちが悪の道に走らざるをえなかった社会の格差を知っていく。
圧倒的な悪や暴力に接して、少しずつ互いを知り、成長していくドラマがていねいに描かれた。