制作会社スタジオカラーと映像配信社ドワンゴが組んで提供する、短編アニメ作品企画「日本アニメ(ーター)見本市」の第二十二弾。
独裁に反対する社会運動にのめりこむ主人公と、それを導く謎の美女。
新自由主義の勃興と挫折を、外国への排外主義を前提にしながら見せていく。
2ちゃんねる出身の経済評論家、三橋貴明。彼がさかき漣と共著で書いた『顔のない独裁者 「自由革命」「新自由主義」との戦い』が原作だ。
監督したのは三橋に心酔するアニメーター平松禎史で、脚本や演出もつとめている。同じ平松監督の第7話*1が静止画ばかりだったことに比べてアニメ技術は標準的。しかし見てはいけないものを見てしまったかのような後味をおぼえた。
あまりに直球すぎることと、革命政権の独裁化を描いていることから複雑な風刺とうけとる感想も見かける。しかし原作者自身が韓国経済の崩壊を毎年毎月毎日となえて外国蔑視をあおっているわけで、要するに独裁に見えても社会運動などするべきではないという主張であろうし、その批判の矛先が自分に返ってくる可能性など思ってもみないのだろう。
この作品が18禁なのはセックスシーンが直球であるためだが、なるほど別の意味で視聴者の成熟が求められる作品ではあった。