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フリームービーメモ。GYAO!、YOUTUBE、バンダイチャンネル、ニコニコ動画、等々で公式に無料配信されているアニメや映画の情報や感想

強大凶悪な怪物ゲームキャラのまま異世界転移して覇道を歩み始める総集編『劇場版総集編 オーバーロード 不死者の王/漆黒の英雄』(1:42:23/1:33:55)配信期間:2020年5月30日19時30分~6月14日19時30分

2015年に放映されたTVアニメ1期を、合計3時間半以上に再編集した2017年の劇場アニメを、初無料配信2週間。

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感想が遅れて配信終了間際になったが、良くも悪くも総集編以上でも以下でもなかった。

 

作品そのものは群像劇的に安定して、超常の存在である主人公が慎重に動いても足をすくわれるというファンタジーアクションとして楽しい。

しかし現代の流行と比べて作画を省力して安定させる方針なため、劇場長編として映像が食い足りない感もある。

いくらか新規カットや作画の改善はあるが、それ自体が見どころとなるほどの新たなシーンや、ストーリーの印象をぬりかえるような変化はない。

後編ED後のラストカットのみ、TV2期に期待をもたせるが、あくまでファン向けの予告的な1カットにすぎない。

 

石ノ森章太郎+東映スタッフによるVシネマ+女性ヒーロー『009ノ1 THE END OF THE BEGINNING』(01:24:09)配信期間:2020年5月20日~6月16日

忠実なTVアニメ版も無料配信された『009ノ1』の、実写映画版。Vシネマらしいエログロが多いのでR15で要ログイン。

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北米の特撮番組で腕をふるい、帰国後はスーパー戦隊ウルトラマンニュージェネレーションを手がけてきた坂本太郎監督による、女性スパイアクション。

東西冷戦の時代につくられた原作を近未来SFに改変するため、日本が東西にわかれて争っている架空の世界を舞台としている。

坂本監督らしい女性のフェティッシュな描写が多く、アクションも東映ヒーロー特撮のスタッフワークで手がたく楽しめる。

しかしVFXは安っぽいし物語は凡庸。長谷川圭一脚本らしく、あまりに設定を工夫せず物語化したためか、その安っぽさと現実味のなさが全編にあふれてしまっている。

尺も短いし、あくまでVシネマと思って見るのが良いだろう。

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最新作『ウルトラマンZ』もひかえている田口清隆特技監督の入魂ミニチュア特撮ファンタジー『ラブ&ピース』(01:57:33)配信期間:2020年6月2日~7月1日

園子温監督脚本による2015年の現代ファンタジー映画。『シン・ゴジラ』の1年前に長谷川博己が主演した怪獣映画という側面からも楽しめる。

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ファンタジックな設定で、せちがらい社会を寓話化。

方向性は『世にも奇妙な物語』の拡大版といったところ。映画ではティム・バートン監督作品に近い。

 

ロックシンガーに挫折した主人公がTV番組に嘲笑される妄想を見ていたかと思えば、捨てられた玩具が謎の老人の力で意思をもって動いたりする。

ネガティブとポジティブが交錯し、主人公は奇跡的に成功の階段をかけのぼりながら、どこか大切なものを置きざりにしてしまう。

主人公が劇中でヒットを飛ばす歌は園監督が作詞作曲。あくまで奇跡の力の結果とはいえ、劇中歌としては悪くないクオリティ。かんちがいで深読みされそうな内容として成立している。

 

低予算映画らしいが、よく見ると少ないセットをうまく利用して、ちゃんと見られる映像にしあがっている。

地下空間の美術設定もこっているし、動く玩具たちも吊り糸こそ見えるが雰囲気にはあっている。ライブの観客も大勢いるように見せられていて安っぽくない。

何より、近年の『ウルトラマン』シリーズ等で活躍している田口清隆特技監督の仕事が素晴らしい。古典的なミニチュア特撮を現代的に発展させ、リアルな都市破壊を表現していた。10分ほどしかないが、クライマックスは怪獣映画としても必見だ。

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