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フリームービーメモ。GYAO!、YOUTUBE、バンダイチャンネル、ニコニコ動画、等々で公式に無料配信されているアニメや映画の情報や感想

苦難と歓喜に満ちた男の人生をたどる韓国版フォレストガンプ『国際市場で逢いましょう』(02:06:24)配信予定日:2018年3月31日

VFXを多用した災害映画『TSUNAMI ツナミ』のユン・ジェギュン監督による、韓国現代史をたどるヒット作。2014年の韓国映画が初配信。

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貧しい商店街「国際市場」に身をよせた少年が、韓国の経済に歩調をあわせるように成長していく。人情喜劇としてよくできた、泣けて笑える映画作品だ。

 

韓国の現代史によりそった作りなので、主人公が歴史上の有名人と出会う演出は、日本の観客からするとピンとこないかもしれない。

とはいえ、主人公の人生をたどる物語背景は必要充分に説明され、韓国文化にくわしくなくても鑑賞に支障はないだろう。

 

さらに、冒頭の朝鮮戦争をはじめとして、VFXを多用した見せ場は多い。

高度経済成長だけを切りとった『Always 三丁目の夕日』シリーズと比べて、再現された過去の風景の物量は段違いだ。

戦災や大事故、復興していく社会……日本と建物や服装が似かよっていることもあり、どの風景もなつかしく、かつ撮影規模の大きさと完成度に感嘆させられる。

ガンダムのプラモデルで仮想現実バトル『ガンダムビルドファイターズ バトローグ』(全5話)配信終了:2018/03/31 23:59

ガンダムビルドファイターズ』シリーズのスピンオフとして、2017年8月からWEB配信された各話10分超の短編集。月末までで無料配信が終了。

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YOUTUBEでも配信中。バンダイチャンネル側の表記から、第1話は半永久的に無料と思われる。

www.youtube.com

メカアニメーターとして知られる大張正巳が監督し、全話の演出も担当。シリアスやギャグをまじえつつ、映像はそつなくまとめ、メカ作画も手描きながらよく動く。

 

第1話はAIに操縦させるという設定で、『機動戦士ガンダム』の本編シリーズから人気キャラクターが登場してバトル。キャラクターの「声」をめぐるひねった構図がおもしろい。

第2話はユーザー同士のバトルではなく、協力しての基地攻略イベント。ちゃんと自作ガンプラの性能を活用した作戦が展開される。よくできたゲーム攻略動画のよう。

第3話は少女型ロボのプラモデルを使って、童話ファンタジーとプリキュアパロディをまじえた物語が展開。ゲームという設定を無視した美少女アニメコメディだが、意外なところにプラモデルならではの展開が。

第4話は、第2話とはまた違って、シリアスな戦争っぽさをロールプレイするチームのバトルを描く。同じ黒田洋介脚本の『機動戦士ガンダム00』の世界を徹底的に演じる。ストーリーにおけるリアルと、ガンプラにおけるリアルの違いを浮きぼりにするオチが批評的。

第5話は、1作目の主人公が、名人として尊敬する先輩と決戦する。宇宙から地球まで、邪魔の入らない1対1のバトル。ひとつの物語のピリオドとしては順当によくできているだろう。ただ、完全勝利を目指す名人の性格が、いわゆる「舐めプレイ」を感じさせるのは好悪わかれるか。

POVホラーの先駆者による、意外と楽しいモンスターホラー『イグジスツ 遭遇』(01:20:29)配信期間:2018年3月9日~3月31日

1999年の『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』で一世を風靡したエドゥアルド・サンチェス監督による、2015年のPOVホラーが初配信。

gyao.yahoo.co.jp

POVホラーの多くは、劇中カメラで撮影したというコンセプトで、あまり怪異の正体を見せない。上手な演出であれば想像力を喚起して普通のホラーより恐ろしくなるが、下手な演出であれば思わせぶりで見えづらいだけになりがち。

しかしこの作品は、作品情報でも説明しているように、類人猿タイプの未確認生物「ビッグフット」が登場することを冒頭から明かしている。つづけて本編を見ても、POVホラーとしては異例なほど、序盤から登場してくる。

さすがに全身をはっきり見せる場面は少ないが、さまざまな痕跡がカメラに映され、劇中の若者たちもパニックを起こしていく。おそらくは低予算作品だろうに、ビッグフットの襲撃による破壊はかなり大がかりで、ちゃんとモンスターパニックらしいアクションにつながっていく。着ぐるみで表現されているらしいビッグフットも、人間より少し大きいくらいのサイズだが、怪獣のように暴れまわる。

襲撃のシチュエーションも多種多様で、中盤からはダレる場面が存在しない。逃げられるか捕まるかという緊迫感ある追いかけっこから、閉じこめられた状況でどう切りぬけるかという閉塞感ある立てこもり、そして助けを求めての脱出口まで、娯楽作品として充実していた。

 

難点をあげると、序盤20分くらいは若者たちのたわいもない遊びが多いし、あまり好感をもてるキャラクターはいない。

しかし展開に無駄なキャラクターはいないし、劇中でカメラを撮影しつづける伏線もそれなりにある。

POV作品がしばしば劇中での撮影を放棄したり、危険な場面で撮影をつづける行動が理解不能になりがちなところ、さすが先駆者だけあって最低限の基準は守っていた。

さほど長い作品でもないし、興味があれば見て損はないと思う。