VFXを多用した災害映画『TSUNAMI ツナミ』のユン・ジェギュン監督による、韓国現代史をたどるヒット作。2014年の韓国映画が初配信。
貧しい商店街「国際市場」に身をよせた少年が、韓国の経済に歩調をあわせるように成長していく。人情喜劇としてよくできた、泣けて笑える映画作品だ。
韓国の現代史によりそった作りなので、主人公が歴史上の有名人と出会う演出は、日本の観客からするとピンとこないかもしれない。
とはいえ、主人公の人生をたどる物語背景は必要充分に説明され、韓国文化にくわしくなくても鑑賞に支障はないだろう。
さらに、冒頭の朝鮮戦争をはじめとして、VFXを多用した見せ場は多い。
高度経済成長だけを切りとった『Always 三丁目の夕日』シリーズと比べて、再現された過去の風景の物量は段違いだ。
戦災や大事故、復興していく社会……日本と建物や服装が似かよっていることもあり、どの風景もなつかしく、かつ撮影規模の大きさと完成度に感嘆させられる。