2014年の米国映画が無料配信を2週間。監督は『バイオハザード』のポール・アンダーソン。
ローマ時代に反映したポンペイが一夜にして火山噴火でほろんだ史実をもとに、『スパルタカス』『グラディエーター』のようなローマ史劇大作と、『ダンテズ・ピーク』『2012』のようなディザスタームービーを合体。
ローマに殺されたケルト民族の主人公を初めとした剣奴隷と、ローマの支配に服従しつつ葛藤しているポンペイ市民の、シンプルな群像劇となっている。
ハリウッド映画らしく、巨大セットやVFXの見せ場もたっぷり。現代の都市ではなく、石造りのローマ建築が火山による噴火や地震で崩壊していくCG映像が物珍しい。
大作規模のテーマにしては1時間45分と短い上映時間に、さまざまな剣奴隷のアクションや災害描写をつめこんで、息もつかせぬエンターテイメントとして楽しめる。
ただ、アクションとホラーを足してテーマがぼやけてしまった『バイオハザード』と同じように、テーマの異なるドラマが合体したことで全体像がぼやけた感はある。とはいえ、すべてが大自然の力に飲みこまれながらも英雄的行為が輝くドラマとして、娯楽としてのカタルシスは充分。
エチオピアから連れてこられたと思われる黒人剣奴隷のキャラクターも良くて、素直に楽しめる作品だ。