村上龍の小説を原作として、三池崇史が2000年に映画化し、国際的に衝撃をあたえた。要ログインのR15で一ヶ月無料。
青山という男は裕福で生活に余裕はあるが、妻を亡くして息子とふたり暮らしをしている。
青山はプロデューサーをしている友人にそそのかされ、女優のオーディションのふりをして再婚相手をさがすことにした。
そして落ちついた美女に目をつけた青山は仲を深めようと動く。しかし美女の周囲ではあまりにもおぞましい事態が……
世界的なホラー映画ランキングにも顔を出す日本映画のひとつであり、流血のカタルシスより痛覚のサスペンスを重視したサイコホラー。
微妙な漫画実写化ばかり悪い意味で話題になりがちな三池監督の、映像作家としての真の実力を見ることができる。
女性への恐怖をかきたてる演出のすさまじさに、異様な生活感あふれる回想シーン。傲慢でありながら、息子に優しく雰囲気もとぼけた主人公が、恐怖シーンを対照的にもりあげる。女性の視点からは怜悧で無機質な世界。
恐怖の発端から根源まで、すべて男性の身勝手さが生みだした世界観も、意外と社会派ホラーとして見ごたえがある。
よくある女性嫌悪、いわゆるミソジニーをつかった恐怖描写は古典的だが、きちんとその嫌悪を感じる男性側の問題に向きあうことで、二十年以上たっても通用するドラマになっている。