ニューヨーク近代美術館にオリジナルフィルムが保存された歴史的傑作が、記憶では初無料配信。要ログインのR15で、字幕と吹替の両方で一ヶ月。
米国南部のテキサス州へ旅行する若者たちがいた。途中で車に乗せた男は異常な行動をはじめ、若者たちはあわてて追い出す。そしてたどりついた宿泊先の近くに、一見すると何の変哲もない屋敷があったが……
旅先で殺人鬼による惨劇がはじまる、『13日の金曜日』シリーズ等につづくスラッシャー映画の嚆矢。
ちょうど先に無料配信されている『マングラー』等を監督したトビー・フーバーの出世作。
基本的には滑稽で人工的な恐怖を重視するトビー・フーバーだが、この作品は低予算であるがゆえ、絶妙なバランスでドキュメンタリのようなリアリティを感じさせる。
ざらついたフィルムの質感も、低予算ゆえに間接的にしか映さない惨劇も、すべて観客の想像力を刺激して恐怖をもりあげていく。暗闇ではなく白昼だからこそ、普通の日常で惨劇がおこなわれているという実感が増す。
それでいて殺人鬼たちのディナーパーティーなどで黒い笑いを提供。それもまたホラー描写の連続で観客の精神が慣れることを防いでいる。
とにかくこのジャンルが好きならば、一見の価値はある。特に時代遅れな設定もないので、普遍的に楽しめるだろう。
