『ローン・サバイバー』や『パトリオット・デイ』のピーター・バーグ監督による2016年作品。字幕と吹替で三週間無料。
メキシコ湾沖に浮かぶ巨大な石油採掘施設「ディープウォーター・ホライゾン」で、海底から石油をとりだすための試験がおこなわれていた。
現場監督は慎重に手順通りにしようとするが、コストを気にかける上司が無理やり危険をおして圧力をかけていく。そして石油が逆流した……
メキシコ湾沖の石油流出事件にもとづく。日本では1年後に東日本大震災が起きたため忘れられがちだが、世界的に大問題となった。
この映画は石油採掘施設として浮かぶ巨大船を大がかりなセットとVFXで再現し、石油にまみれて大火災になる発端までを描く。
危険を知る現場と無理をさせる上層部の対立というシンプルな導入から、大火災から従業員が逃げ出すまでにしぼって、見せ場をつなぐ素直な映画化だ。
ハリウッドのディザスター映画にありがちな家族愛押しが少ないのも良かった。プロローグ的な予兆と途中の通信で会話があるくらい。危機の最中に家族との会話をつづける不自然さがない。
環境破壊としては大規模なのに絵的に地味な石油流出は無視して、実話映画の範疇でエンタメとしてまとめているので見やすい。
深い味わいはないが、発端については勉強になるし、興味深く見られる作品ではあった。