1980年に韓国の光州で市民運動が虐殺された歴史を、内側と外側から記憶する映画。それぞれ約一ヶ月の初無料配信。
2017年の『タクシー運転手』は『高地戦』のチャン・フン監督。字幕と吹替で楽しめる。
お金めあてでドイツ人記者を横取りしたタクシー運転手をソン・ガンホが好演。現地で反政府運動と政府の弾圧に巻きこまれ、逃げようとしながら、少しずつ人々へ親身になっていく。
最新のVFX技術と念入りな小道具の用意で、40年前の激動を見事に再現した。人間ドラマとして重厚でいて、アクション映画としてのカタルシスもたっぷり。
現在の世界各地でも見られる問題を、メディアが報じて市民が助ける意義があるのだと力強く訴える。
2007年の『光州5・18』は『ザ・タワー 超高層ビル大火災』などのキム・ジフン監督。
こちらは現地のタクシー運転手が反政府運動に身を投じる家族に距離を感じながら、政府の弾圧を受けて少しずつ反抗心をめばえさせていく。
韓国の当時まだ技術力が足りないVFXは必要最小限で粗を見せない。大規模なエキストラとロケハン、弾着のようなアナログ撮影の迫力で内戦のような動乱を描く。
はげしい戦闘描写が説得力を支えて、なぜ戦わなければならなくなったのか、現地側の視点を記憶する映画となっている。
どちらも純粋に映画として完成度が高いし、同じ出来事を違った技術と作風で違った視点から見つめる興味深さもある。必見。