邦題で『第9地区』を意識したと思われる*1、VFX満載の2011年の韓国映画。初無料配信を2週間。
九州の西、朝鮮半島との間の海底油田開発は停滞を見せていた。それでも韓国側が開発をおこない、石油にかわる新たなエネルギー源を発見するが、大惨事につながってしまう……
『エイリアン』を代表として、最近に配信された『ヴァイラス』などにつらなる閉鎖環境で少人数が追いつめられていくジャンル作品。
良くも悪くも新鮮味はなく、残虐なモンスターとの追いかけっこから背後の陰謀劇まで、ジャンルの定番だけで構成されている。資源開発が進まない理由は日韓対立とは別に、実は恐ろしいモンスターがいた……という設定が日本の観客として興味深いくらいか。
主人公の「尊敬する人物が実は危険な」計画を立てて、「卑劣な人物がその真相を指摘する」という逆転が少し面白いのに、あまりドラマとして深めないままアクションホラーとして終わったのが残念。
とはいえ韓国国内だけで制作したというVFXの技術力は今見ても高く、2010年代でついに日本の特撮技術を韓国が追いついた実例と思えた。
やや序盤のバイク遊びだけは合成が気にかかるが、モンスターの質感や動きは問題を感じない。セットと3DCGで構成された海底油田もリアリティがある。
*1:原題もそれぞれ”SECTOR7”と”District 9”なので、意識したのは日本の配給会社だけではないかもしれない。