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フェイクドキュメンタリーホラーを流行させたヒット作の正統続編『ブレア・ウィッチ』(01:29:10)配信期間:2020年10月31日~11月29日

1999年に低予算でヒットした『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の後日譚にあたる、2016年のホラー映画。もう終了間近だが、初無料配信が約一ヶ月。

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魔女伝説を調査した学生3人が行方不明になって20年後。そこで姉が消えたことが心をさいなんでいた青年だが、インターネットの怪しげな映像に姉らしき姿が映っていることを知る。

仲間とともに4人で撮影者に会いに行くと、若い男女2人が出むかえてきた。2人の案内にしたがって総勢6人で森にわけいるが、姉が消えた建物は見つからない。仲間の女性が足を傷つけたこともあり、テントをはって夜をすごすことに決めたが……

 

今どき珍しい1時間半に満たないタイトな上映時間で、安っぽくもアイデア満載のサプライズで楽しませてくれた。

監督はアダム・ウィンガードに交代。『サプライズ』や『ザ・ゲスト』でホラー映画のパターンをずらして新鮮に楽しませてくれた。

gyao-youtube.hatenablog.com

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今回はヒット作の続編に起用され、きちんとシリーズ作品らしい連続性と、サービスたっぷりのホラー演出で楽しませてくれる。

 

実のところ1作目の『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』は低予算すぎてホラー映画らしい超自然描写がほとんどなく、物語の大半を学生3人のケンカについやしている。

約80分という短い尺なので最後まで観ることはできたが、面白さを感じたのは冒頭の短い村人インタビューと、終盤の廃屋探索くらい。

映像すべてが劇中カメラで撮影されるというコンセプトも平板なビジュアルがつづく一因となり、2000年の続編『ブレアウィッチ2』はドキュメンタリー形式を捨てた劇映画となった。

一方この『ブレア・ウィッチ』はドローンを活用したり、6人もの大所帯でたがいに撮影しあったりして、映像素材にバラエティがあって見やすい。森の探索は主観映像に酔いそうになるし、決定的な事件がはじまるまでは退屈だが、それなりに画面を変化させようと努力している。

そして1作目とは違い、「フェイク」という現代ドキュメンタリーらしい納得のいく理由でケンカして、徐々に超常現象を増やしていく。

途中で劇中カメラ映像というコンセプトを捨てて、人間の主観映像がメインになるのは少し残念だが、大事件が起きている時にプロでもないのに撮影をつづける不自然さを無くそうという判断だろう*1

 

クライマックスは明らかに超常的な出来事ばかりでフィクション感が強いし、先に書いたようにフェイクドキュメンタリーとは厳密には呼べないのだが、主観映像すなわちPOVを中心としたホラーとしては水準作か。

3組の男女が見せる人間模様も複雑かつドラマチックで、意外と泣けたり共感できるところもあった。

*1:東日本大震災の一般人による撮影を見れば、事件が起きているからこそカメラの止め時がわからなくなる心理もありそうだが。