2014年の韓国映画。すでに2018年などに無料配信済みの韓国クライムドラマ。
青年時代に雪山で遭難しかけるも助けあって生きのびた3人は、大人になって違う職業についても友情をはぐくんでいた。
しかし保険の営業マンをつづけるひとりは、成績をあげるために小さな詐欺を営業先にもちかけ、ついに偽装強盗をしかける……
邪悪が善意をぬりこめていく韓国ノワールには珍しく、小市民がおこした小さな罪が、とりかえしのつかない状況を生みだしていく。
後味は非常に悪いが、巨悪でも英雄でもない判断の迷いが、愚かしくも共感をさそう。ひとつの家族をのぞいて、誰もが小さな悪意をかかえつつ、なけなしの善意をしぼりだす。
聾唖者の妻がさらっと登場しているのも現代的で印象的だった。まわりの小さな差別が描かれつつも、ドラマにおいて重きをおかず、あくまで個性のひとつとして位置づけている。もはや障碍者が映画に登場する時に、必然性は必要ないのだ。
もちろん人情劇でありつつ、現代の韓国映画らしく大がかりなセットを燃やすし、カーチェイスは地味に派手だし、暴力関係の動作やVFXも自然。
特に斬新さや驚きはないが、充実したクライムドラマだ。