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ディカプリオ演じるダイヤ密売人がアフリカ内戦を見る『ブラッド・ダイヤモンド』(02:23:38)配信期間:2020年10月15日~12月23日

ラストサムライ』で知られるエドワード・ズウィック監督作品。1999年のシオラレオネを舞台として2006年に公開された大作映画。

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反政府勢力RUFに拉致されダイヤ発掘の労働をしいられていた黒人ソロモンが、発見した巨大ダイヤを隠して、戦闘の混乱に乗じて脱出。

ディカプリオ演じる密売人アーチャーは逮捕された監獄でソロモンと出会い、巨大ダイヤを山分けするよう取引きする。

そんな利益だけでつながった二人が、内戦のつづくアフリカを見聞していく……これはそのような物語だ。

 

実際にアフリカでロケをおこなった風景は美しく、採掘場や村のセットもよくできている。小さな勢力がぶつかるだけの内戦でありながら、アクションもバラエティある戦闘シーンが用意されていて充実。終盤には『地獄の黙示録』のような光景も展開される。

巨大ダイヤというアーチャーの目標と、家族に再会したいソロモンの目的が明確であるため、さまざまな勢力の思惑がいりみだれながら混乱しないストーリーテリングも見事だ。現実の社会問題をモチーフにした娯楽活劇としては完璧に近い。

ソロモンが再会した時、息子が少年兵になりはてていた展開はドラマとしてもグッとくる。

 

映画全体としてはズウィック監督らしい作品といえばわかりやすい。

代表作『グローリー』や『ラストサムライ』と同じく、主人公は先進国の白人で、ともに戦う有色人種への理解を深めながら、理想に向かって前進する。

ただ両作品を知っていると、物語の構成が変わりばえしないことに残念さを感じないでもない。特に主人公の顛末は、もう少し工夫してほしかった感がある。

また、日本の観客に歓迎されつつも忍者描写などが当惑された『ラストサムライ』のことを思うと、この作品も舞台となったアフリカ各国からすると違和感があるかもしれない。

2時間を超えながら中だるみせず、群像劇として完成度が高い映画ではあるが、あくまでエンターテイメントという注意は必要だろう。けして悪くはないのだが。

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