ソーシャルゲーム「ディズニー ツイステッドワンダーランド」が手描きアニメCMを配信開始した。
『黒執事』の枢やなキャラクターデザインの美青年たちがイケボでささやく。女性向けソシャゲらしいCMをちゃんと手抜きせず作ってる。
問題はプレスリリースで「フルアニメーション」をうたい、それがアニメ専門メディアにも掲載され、twitterのトレンドにも入ったこと。
しかしCMでつかわれた技法は、基本的に日本のアニメ技術で作られている。
省力のため秒間の枚数を少なくした結果、動きの滑らかさよりもメリハリがついたアニメーションはリミテッドアニメと呼ばれる。
一方、かつてディズニーが選んだ秒間ごとの作画枚数を多くして滑らかに動かす技法こそがフルアニメーションと呼ばれている。
このアニメCMをディズニーのフルアニメーションと聞いて期待すると、普通のリミテッドアニメなので期待外れになってしまう。これは広報の単語選択の失敗だ。
つまり誤解をまねかないためには、イラストや静止画をはさまずにアニメで構成した映像は、フルアニメーションよりも全編アニメーションとでも表現するべきなのだ。
もっともアニメ評論家などが指摘しているように、リミテッドとフルの区別にもあいまいなところはあるし、全編アニメという意味でフルアニメーションという表現をつかう事例は定着しつつあるようだが……
前もあったよなと思って検索したら、2013秋、2019年春にも「全編アニメのことをフルアニメーションという騒動」は起きているのであった。
— 藤津亮太(連絡先はプロフィール欄に) (@fujitsuryota) 2020年7月15日
ホント、ゲーム業界だか広告業界の人が「フルアニメーション」という言葉の定義を汚染していくの、やめていただきたい……。
— 前Q(前田久) (@maeQ) 2020年7月15日