2004年の是枝裕和監督作品。アパートの一室で子供たちだけで生きぬこうとする日々を美しく描いた。さまざまな映画祭で賞を受けた。
1988年の事件をモデルにして、母に捨てられた子供たちだけで、とりのこされたアパートで生きぬこうとする日々を美しく描く。
主演した柳楽優弥の、中学生らしいみずみずしさ、中性的な美しさも印象的だ。カンヌ映画祭で日本人初にして史上最年少の最優秀男性賞を受けただけはある。
ただ、題材になった巣鴨子供置き去り事件は、調べてみるとけっこう悲惨な内容だった。
それを意識して映画を鑑賞すると、一見して美しい映像の向こう側に、Jホラーのような恐怖が隠れているようにも感じられた。
是枝監督はドキュメンタリー出身だというから、どうしてもフィクションの背後にリアルを映しとってしまったのかもしれない。