2006年の西川美和監督によるサスペンス法廷映画。オダギリジョーと香川照之が実力を発揮し、誠実な演出と緻密な脚本でも絶賛された。
ゆれる橋で起きた、謎の転落死。その女性を死なせた責任が兄にあるのかどうか、弟が思い悩む。
それほど緻密な推理や意外などんでん返しがあるわけでもない。しかし、微妙な心理が争点となるもどかしさは、かなり現実の刑事裁判らしいリアリティがあった。
うらぶれた地方都市の未来のなさと、それと裏腹のノスタルジーが美しい。そのような環境でゆれうごく兄弟の距離感にしみじみとする、いい映画だった。