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フリームービーメモ。GYAO!、YOUTUBE、バンダイチャンネル、ニコニコ動画、等々で公式に無料配信されているアニメや映画の情報や感想

日本製ファンタジーの初期代表作の初映像化『グイン・サーガ』(全26話)配信開始:2017年11月14日

2009年にNHKで放映されたTVアニメ。当時はBIGLOBEで無料配信していた。今回のGYAOでは火・木・日に1話ずつ、2週間無料。

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原作小説は100巻を超えながら続き、アニメ化の同年に原作者の死去で中断。別の小説家によって続編が書かれている。

原作小説は途中から評価が下がっていったが、このアニメは評価の高い序盤を中心に構成。豹頭の戦士を中心とした冒険活劇として完成されている。

今となっては特に目新しい内容ではないかもしれないが、原作第1巻が初代の『機動戦士ガンダム』と同じ1979年に発売されたと知れば、その先駆性に驚かされるだろう。

成長したアムロとシャアの決着劇『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(01:59:52) 配信期間:2017年11月18日~2017年11月20日

1988年に劇場公開された完全新作のアニメ映画。過去にバンダイチャンネルなどで無料配信されていたが、おそらくGYAO!での配信は初。

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第1作からゆいいつシリーズにかかわりつづけた富野由悠季監督が脚本もつとめ、個人的なフィルムとして完成されている。

 

副題にあるように、戦争に巻きこまれて少年兵となった主人公アムロよりも、そのライバルとして敵国内で暗躍していたシャアがドラマの主軸。

そもそもアムロの人間的な成長はシリーズ第1作で完結しているので、第2作以降は表舞台から退いていた。その期間に主人公側で暗躍をつづけ、アムロとも共闘していたシャアが、ついに高い理想をもって全てを終わらせようとした、そんな物語の終着点が描かれる。

テロリストと愚連隊になったふたりが、その激情をぶつけあうドラマは刺激的で、巻きこまれる人々も刺々しい。そんな救いのないドラマの果てに、かすかな希望が残される。

 

他スタッフも第2作以降の流れを汲んでおり、キャラクターデザインは『機動戦士Zガンダム』の北爪宏幸が、メカニックデザイン出渕裕がそれぞれ担当。

シンプルな線で破綻のない立体としてデザインされたことで、現在に鑑賞してもアニメの映像としてまったく古びていない。

ていねいな作画でよく動くメカアクションは、それだけで一見の価値がある。

日中戦争で死と性に直面させられる従軍看護婦の物語『赤い天使』(01:34:49)配信期間:2017年11月6日~11月19日

1966年のモノクロ映画。横長のシネマスコープで、患者と死者で埋めつくされた画面には大作感がある。

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「おとなの大映祭」という特集の一環で無料配信。

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前線には珍しい女性として看護婦がレイプされたり、性処理を求められたりするという非人道な情景を正面から見せていく。

軍医が患者を処置するか諦めるかを機械的に決めていく場面など、戦争映画には珍しい後方の痛みを描いた作品といえるだろう。

前線で慰安婦が登場するが、コレラの発生源として隔離され、性処理しようとする兵士を主人公たちが止める役割りになるところも興味深い。性と慰安婦を描きながら、慰安婦が性処理する場面が存在しないのだ。

強引に性処理を求められる戦地において、主人公を性欲の対象にしそうでしない男だけが恋される。強引な性交をけっして肯定はしない。

 

モノクロに助けられていることもあるが、傷病の特殊メイクが意外とよくできている。

中国という設定のロケやセットにも違和感なく、終盤には予算をそれなりに使った戦闘シーンもあり、予算に余裕があった当時の日本映画らしい重厚さのある一作。