フリームービーメモ@はてな

GYAO!、YOUTUBE、バンダイチャンネル、ニコニコ動画、等々で公式に無料配信されているアニメや映画の情報や感想

アジアをまたにかけ、個性的な怪盗がダイヤを争奪『10人の泥棒たち』(02:16:02)配信期間:2017年10月19日~2017年11月18日

何度か無料配信された2012年の韓国映画。複数の窃盗団が協力して、トリックとアクションでダイヤを盗みだす。

gyao.yahoo.co.jp

娯楽に全振りした韓国映画らしい、深く考えずに楽しめる作品として完璧。2時間を超える物語を、密度たっぷりの展開で飽きさせない。

泥棒ひとりひとりのキャラクターが立っていて、それぞれの結末を見るだけでも楽しめる。

 

ルパン三世』の雰囲気を実写で再現した作品と思ってもいいだろう。

カーアクションもパルクールも、5年前の時点で日本映画を抜き去っている。

破天荒に雰囲気を変えていくアクションスリラー『ザ・ゲスト』(01:39:39)配信期間:2017年10月17日~2017年11月16日

奇妙な来訪者から始まる奇妙な事件を描く、2013年のアダム・ウィンガード監督作品。吹替版と字幕版が同時に初無料配信。R15で要ログイン。

gyao.yahoo.co.jp

死んだ息子の戦友だったと名乗る男が郊外の家におとずれ、優しい言葉と真摯な態度で両親や姉弟を懐柔していく。

しかし家族を救うためとはいえ暴力をふるいはじめたあたりから、少しずつ異様な雰囲気に満ちていく……

 

 

謎の客が言葉たくみに家族へとりいり、やがて支配していくという物語のジャンルがある。

安倍公房によるスリラー小説『闖入者』や、藤子不二雄Aの『魔太郎がくる!!』の1エピソードが有名だろう。

この『ザ・ゲスト』も、そんなジャンル作品のひとつといえる。

 

しかし前日に配信が始まった同スタッフ『サプライズ』と同じく、そのジャンルに期待される要素を存分に見せながら、やがて異常な方向へ拡大していく。

gyao-youtube.hatenablog.com

当初は乾いたアメリカ郊外で、淡々とした物語がつづくかに見える。家族にとりいることができるだけの、人情劇としての完成度も高い。

前半のいくつかのいざこざも、アメリカ文化らしい出来事にとどまり、現実感を残している。謎の男の奇行も、元軍人というプロフィールからギリギリありえそうな範囲にとどまる。

しかし中盤、いきなり田舎の風景から視点を変え、一気にアクション映画としての要素が強まる。特殊な人物の特殊な戦闘を、状況のインパクトにたよらず、きちんと知恵比べとして展開させる。

さらに終盤、アクション映画としてのテンションをたもったままホラー映画としての要素をとりもどす。騒々しい音楽を背景に、サイケデリックなビジュアルで映し出される恐怖は、ダリオ・アルジェント監督や中川信夫監督といった巨匠のホラー演出を思わせる。それでいて、ちゃんと前半までに示された伏線を活用して、世界観から乖離することがない。

よくある殺人鬼の襲撃スリラーから、カオスな混戦アクションへ『サプライズ』(01:34:04)配信期間:2017年10月16日~2017年10月29日

2011年に公開され、マニア絶賛のスラッシャーホラーが初配信。R15なのでログインが必要。

gyao.yahoo.co.jp

 タイトル通り、できるだけ予備知識 を持たずに視聴すれば、よくあるジャンルからの発展を楽しめるだろう。

ちなみに原題は劇中で犯人がしるす文章と同じ『You're Next』で、直訳するなら『次はお前だ』。

 

スタッフなどのくわしい情報は、生存している公式サイトで確認できる。

surprise.asmik-ace.co.jp

 

内容を見ると、動物のマスクをかぶった大量殺人犯による襲撃から始まる、一見するとよくある作品だ。

しかし、犯人たちの行動は『13日の金曜日』などに比べて手がこんでいる。殺戮を楽しむようでいて、序盤から一気にかたをつけようとする。

一方、襲われた一家は人数が多くて、両親と4人の子供、さらに子供にひとりひとりパートナーがいて、合計10人。おかげで犯人の奇襲で全滅することなく、広い屋敷を使って犯人への対処をこころみる。

やがて、ひとりのキャラクターの意外な設定が判明。映画のおりかえし地点から、犯人の計画を完全に狂わせていく。

 

もちろんシリアルキラーに抵抗をこころみるホラー映画には多くの前例があるし、逆転できる作品もいくつかある。

しかしこの作品の逆転劇は鮮烈で、よくできたアクション映画のようなカタルシスを生みだす。

同時に凄惨なホラー作品らしさも失わない。次々に意外な顛末をむかえていくキャラクターと、真相が明かされても終わらない不条理さで、嫌な後味がホラー映画らしく残った。

かなり複雑な物語だが、脚本はしっかり練られている。途中は違和感をもったキャラクターの愚行も、最後まで見ると納得できるところが多い。

 

映像がしっかりしていて、予算不足を感じさせないことも素晴らしい。照明からして落ちついた雰囲気がある。

犯人の襲撃はカット割りが細かく、スローモーションも適度におりまぜていて、ていねいに素材を撮り集めていったことがうかがえる。破壊される小物などの美術も、富裕層の持ち物らしさを感じさせるだけの質感がある。人体破壊の特殊メイクもしっかりしている。

広い建物の構造や隣家との位置関係もわかりやすく映像で示され、追跡劇や格闘戦でわかりにくくなることがない。おかげで複雑な敵味方の状況にもついていける。