ふむめも@はてな

フリームービーメモ。GYAO!、YOUTUBE、バンダイチャンネル、ニコニコ動画、等々で公式に無料配信されているアニメや映画の情報や感想

テロリストに占拠されたホワイトハウスを、たったひとりの特殊部隊員が切り抜ける『エンド・オブ・ホワイトハウス』(01:59:16)配信期間:2020年7月4日~8月3日

『トレーニングデイ』のアントワーン・フークア監督による、2013年の米国映画。字幕と吹替の両方で、何度目かの無料配信。

gyao.yahoo.co.jp

アフリカ系のフークア監督だが、この作品はシンプルな娯楽アクションに徹している。『ダイ・ハード』のように孤立した状況をひとりで切り抜ける物語を、現代ハリウッド映画の水準で完成させた。

同時期に公開された『ホワイトハウス・ダウン』より低予算だが、VFXの粗などもなく、凄惨なアクションを描き切っている。

 

テロリストを米国内の偏見にむすびつくイスラム系にせず、遠い北朝鮮系にして、なおかつ祖国の意向に反した立場に設定。

誰にとってもわかりやすい敵と戦うシチュエーションで、社会派的なテーマに悩むことなくアクションを楽しめる。

ただ、訪問した韓国の首相が警備の穴になったまま再評価される場面がなかったり、アジアを敵か脇役としてしか位置づけないことは少し気になったかな。

サイコキラーに対する少女の復讐劇を描く、標準的な韓国映画『少女は悪魔を待ちわびて』(01:48:42)配信期間:2020年7月2日~8月1日

2016年の韓国クライムサスペンス。要ログインのR15で、一ヶ月無料配信。

gyao.yahoo.co.jp

わずか15年で出所することになった連続殺人犯を、殺された父の復讐のために罠にかけようとする娘*1と、今度こそ連続殺人の全貌をつかもうとする警察の戦いを描く。

 

最後に示される、狂気におちいってまで娘が何を目指していたのかという真意は、あまりにも救いがなく、それでいて静かで穏やかだ。

個人の復讐というそれはそれで罪かもしれない行為を、あがなうだけの力が結末の画面から感じられた。

 

ただ、出所した犯人の不自然さから「実は真犯人ではない」と感じて、復讐の「虚しさ」を描く作品になるかと思ったが、犯人は「ふたり」いたという真相が特に伏線もなく明かされただけだった。

どんでん返しにはもう少し伏線と驚きがほしいし、それくらいの中途半端なヒネリなら入れずに、素直に少女と犯人と警察の三すくみを展開してほしかったかな。

gyao-youtube.hatenablog.com

*1:待っている期間を象徴するように邦題は「少女」だが、時系列からすると復讐する時点ではそれなりに成長しているし、演じるシム・ウンギョンも成人している。

軍事政権のビルマを舞台とした、心を閉ざした凄腕傭兵によるボランティア救出劇『ランボー 最後の戦場』(01:31:13)配信期間:2020年6月19日~7月2日

シルベスター・スタローン主演で知られるシリーズ4作目。字幕と吹替の両方で初無料配信。人体損壊描写がはげしいため要ログイン。

gyao.yahoo.co.jp

世界中の戦場で心を閉ざしていったランボーは、もはや故郷に帰る気も起きず、タイの奥地で生活していた。

そこにビルマへ向かおうとするボランティア集団があらわれ、移動を助けるよう依頼する。彼らはビルマ国軍に虐殺されているカレン族へ医療をとどけようとしていた。

あまりに危険な旅であるため、気乗りしなかったランボーだが、結局は手を貸すことになり……

 

ちょうどビルマが完全に軍事政権へ舵をきった2007年の直後、2008年1月に公開された。現実に弾圧がつづくなかで多数のカレン族が撮影に参加し、性的暴行や手足切断といった残虐な行為を痛々しく演じている。

シリーズ最新作の『ランボー ラスト・ブラッド』の日本公開にあわせた無料配信だろう。

gaga.ne.jp

「最後」というタイトルをつけながら次作があるのはおかしいが、そもそも4作目の原題はただの「Rambo」。「First Blood」という原題の1作目を『ランボー』という邦題で公開したため、後のシリーズ邦題が少しずつ内容とずれてしまったパターンだ。

 

 

まず、状況設定だけなら平凡といっていい。危険な軍事独裁国家に「平和ボケ」*1なボランティアがおせっかいにいって拉致され、主人公が救出しにいく。武器をもってたちむかわなければ暴力には対抗できないというメッセージの娯楽作品だ。

しかしエンドロールまでふくめて約1時間半という近年のハリウッド大作には珍しい短い上映時間で、無駄なく濃密にまとまっている。後半約45分はほとんど戦闘の連続だが、戦闘目標や舞台や時間が変化していって単調ではないし、緊張感もとぎれない。

主人公はとにかく無敵で、たったひとりで多くの敵兵を倒していくが、スタローンの身体能力で充分に説得力があるし、ちゃんと入念な準備や伏線を活用した作戦で危機を脱していく。

同行する傭兵集団が強くても主人公ほどではないバランスなのもいい。対立したり助けたり足を引っぱったり、サスペンスとともにカタルシスを高めていく。ひとりひとりの個性もあわせて意外と傭兵たちも魅力的だった。

 

また、2015年にアウンサンスーチー勢力が民主政権をつくりあげながら、別の少数民族ロヒンギャへの弾圧はつづいていることを思うと皮肉な作品でもある。

このシリーズは3作目でも旧ソ連アフガニスタン侵略に対抗する物語を描いたが、そこで主人公が味方したイスラム民兵タリバンの源流になった。

敵と戦って殺さないと解決しないという思想の映画だが、敵を倒すだけでは終わらないという平和ボケにも一理あるのが現実なのだ。

しかし思えば1作目は、無意味なベトナム戦争で心身を傷つけた主人公の孤独を描いた作品だった。それをふりかえれば、答えは最初から出ていたのかもしれない。

*1:主人公が劇中でそう評する。