フリームービーメモ@はてな

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悪に対処するため悪へ同化していった熱血警官の不祥事『日本で一番悪い奴ら』(02:14:38)配信期間:2018年5月5日~5月18日

点数稼ぎのため犯罪を放流していた北海道警の、中心人物の手記にもとづく2016年の映画。

今年1月*1につづいて、またも短期間ながら無料配信。女を抱くシーンなどがあるためかR15でログイン必須。

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映画の規模感はVシネマに毛が生えたくらいだが、できる範囲で工夫して*2、1970年代から2000年代にわたる稲葉事件をテンポ良く見せていく。

狭い路地のカーチェイスや、ヤクザとの緊張感ある対峙なども、おそらく低予算だろうにがんばっている。

 

北海道が舞台になっているのも良かったのだろう。

長崎市長警察庁長官への銃撃という歴史的な事件を、あくまで新聞やTVで知る遠い出来事としてすませらた。

それでいてそれらは年代の説明描写に終わらず、銃刀法違反の検挙が重視される背景として位置づけられている。

 

主人公の熱血警官を演じるのは、綾野剛

酒を飲まずに煙草でむせるような若者が、警察の柔道大会で勝つために警官となり、犯罪者に近づくために同化していく。

いつしか煙草を好んで吸うようになり、かつて柔道チャンピオンだった体力は衰えていく。

 

潜入のためにスパイをつくって仲良くなっていく描写も、ヤクザ映画やマフィア映画のパターンとしてよくできている。

北海道警ぐるみでチンピラが祝福される局面まである。そこまで上昇したからこそ破滅した時の落差も大きい。

同時に、そうした友情や仲間意識を映画は全肯定はしない。しょせん主人公は便利に使われてるだけのトカゲの尻尾で、主人公もまた周囲を無自覚に利用していただけだということが、映画を最後まで見れば痛感するしかない。

もちろん警官の正義も映画は懐疑しており、描写される日の丸と君が代が皮肉きわまりない。

 

そうした若者が破滅していく悪夢を、静かに変化するサスペンスとしてではなく、あくまでコメディとしてテンポ良く見せていったのもいい。

おかげで2時間を超える時間が沈鬱になりすぎず、エンターテイメントとして飽きさせない。

*1:悪に対処するため悪と同化していった熱血警官の顛末『日本で一番悪い奴ら』(02:14:38)配信期間:2018年1月11日~2018年2月7日 - フリームービーメモ@はてな

*2:主人公が警官になった当初は署内が煙草で白く煙っていて、時代が進むにつれて空気が綺麗になっていくところがわかりやすい。

巨大ヘリを原発に落とす?日本製ポリティカルアクション!『天空の蜂』(02:17:55)配信期間:2018年4月28日~5月11日

1995年に書かれた東野圭吾原作の冒険小説を、堤幸彦監督が2015年に実写映画化。初無料配信が2週間。

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自衛隊に納入予定の巨大ヘリが、開発者の子供を乗せて無人発進。その巨大ヘリを高速増殖炉の上空に停止させ、日本の全原発を停止するよう要求する声明が出される……

原作は、もんじゅ事故以前に書かれた。そこで原発への反対意見と賛成意見の両方を紹介しながら、タイムリミットまでに事態をどう収拾するかのサスペンスをもりあげていく。

 

映画も、原作が書かれた1995年を舞台として、原発に対する賛否両論をおりまぜながら、携帯電話を使えないサスペンスをつくりだしていった。

展開はほとんど原作と同じで、架空の巨大ヘリ「ビッグB」のVFXクオリティも悪くない。子供たちがヘリから脱出する序盤でアクションを足したりしたのは良かった。

シネマスコープの横長な映像は充分で、犯人との激しい追跡劇なども、日本映画としては予算の不足を感じさせないスケール感がある。

 

ただ、かなり頁数の多い原作をそのまま映画にするのは難しかったのか、謎解きサスペンスとしては展開が早すぎる。

意外性を感じる前に状況が変わるし、伏線も足りない。登場人物の絶叫や決断も、そこまでに感情が動く過程を描けていないから、それぞれの台詞がむきだしの政治的メッセージとしかならず、物語から浮いてしまう。

それでいて現代社会に強く訴えようとするメッセージも腰が引けていて、どうしてもこの原作だからこそ映像化したいという熱を感じない。映画オリジナルで東日本大震災パートを追加しながら、原発事故にひとことも言及しない。

俳優の演技も、全体として邦画の悪癖を感じさせる。堤監督は日本のお約束演出を茶化したドラマ『ケイゾク』『トリック』からヒットメイカーとなったが、それで大作を撮ると仕事として流しているような演出しかしないところがある。

学園ラノベアニメの代表作品が一挙無料『涼宮ハルヒの憂鬱』(全28話)『とらドラ!』(全25話)配信期間:2018/4/27(金)24:00 ~ 2018/5/6(日)23:59

番組改変期によくあるキャンペーンで、全話1週間無料配信。終了後は有料配信に戻る。

 

涼宮ハルヒの憂鬱』はSFラノベをアニメ化して大ヒットした京都アニメーション出世作を、2009年に新作を混ぜて再構成したバージョン。

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当時は同じストーリーを延々とくりかえす「エンドレスエイト」が不評だったが、コメント付きならばツッコミを入れながら楽しく見られるかも?

 

とらドラ!』は2008年に放映。異能もSFも出てこない純粋な青春ラブコメとして完成度が高い。

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流行り廃りに関係ないテーマなので今でも問題なく楽しめるだろうし、映像も今でも古びていない。