ふむめも@はてな

フリームービーメモ。GYAO!、YOUTUBE、バンダイチャンネル、ニコニコ動画、等々で公式に無料配信されているアニメや映画の情報や感想

京都アニメーション幻の第1作をはじめ、バラエティ番組内で放映された大人向け短編アニメが初無料『呪いのワンピース』(全3話)『景山民夫のダブルファンタジー』(全2話)『夢魔子』(全3話)配信期間:2020年2月21日~2月27日

1990年ごろに初放映された3作品の、近年にデジタルリマスターされた版が、1週間の初無料配信。

gyao.yahoo.co.jp

gyao.yahoo.co.jp

gyao.yahoo.co.jp

笑ゥせぇるすまん』で知られる『ギミア・ぶれいく』の番組内アニメ枠で放映。合計すると普通のTVアニメ1話と同じくらいの長さ。

 

どれも藤子不二雄とかかわりが深いシンエイ動画制作だが、注目は藤子不二雄Aの意向で作られた、内田春菊原作の『呪いのワンピース』。

下請け会社として技術力をのばしていた京都アニメーションが、グロス請けと呼ばれる方式で演出や作画から仕上げまで、主要な工程をすべて担当。昨年の放火事件で亡くなられた木上益治が監督として演出を担当するだけでなく、作画監督としてアニメーターを現場で育成。

ここから京都アニメーショングロス請けで各話まるごと高いクオリティで制作していくこととなり、元請け会社として飛躍する道筋をつけた。業界に与えたインパクトの大きさは入江泰浩監督のインタビューにくわしい。

www.nhk.or.jp

「呪いのワンピース」の原画と修正を見る機会があったのですが、木上さんは若い新人の原画マンを指導しつつ、ご自身も多くの原画を描いていました。繊細な線で描かれた丁寧な芝居に圧倒されたのを覚えています。その当時は「木上さんの力があったからこそ出来た映像」と感じていました。しかし、その見方は甘かったと今になって思います。そのクオリティは一過性のものではなく、その後30年近く、木上さんが京都アニメーションの新人を育て続けたからこそ、今に至るまで数々の驚異的な映像作品が生み出されたのです。

鏡面のように空の風景を地面に反映させる演出など、後の京都アニメーション作品で多用される技法が確認できる面白味もある。

 

なお、他の作品もけして悪い出来ではない。

たとえば『景山民夫のダブルファンタジー』は『ドラえもん』や『クレヨンしんちゃん』といったシンエイ動画のメイン作品を担当していた原恵一監督の手によるもので、これはこれで必見だ。

あらゆる敵をワンパンチで倒せるパロディ的な最強ヒーローを、本気でアニメ化『ワンパンマン』(全12話)2020年2月2日~2月9日

2月2日7時から全話一挙配信で*1、その後はAbemaビデオで7日間無料配信。ビデオ形式ではおそらく初無料配信。

abema.tv

原作はもともとインターネットでアマチュアが公開していたパロディ漫画。しかし人気が爆発して、『アイシールド21』の作画を担当していた村田雄介の絵でリメイク。

そして2015年にマッドハウスによってTVアニメ化。『スペース☆ダンディ』で補助的な監督をつとめたアニメーターの夏目真悟が監督し、そのコネクションでハイレベルなアニメーターが集結。原作の魅力的でシンプルなアクションを一段階レベルを上げて映像化した。

幼女に転生した男が最前線で戦う、魔法がある異世界の独ソ戦『劇場版 幼女戦記』(01:38:24)配信期間:2020年1月25日~2月2日

2019年2月に公開されたばかりのアニメ映画が、早くも1週間無料配信。

abema.

スタッフは2017年のTV版から続投。幼女となった主人公が才能を見いだされ頭角をあらわすTV版の続編として、共産国へ攻め入り敵を粉砕する物語が完全新作で描かれる。

現代人だった主人公の前世などは説明がほとんどなく、魔法などの設定もほとんど語られない。完全に原作かTV版を知った観客向けの作品としてわりきっている。

合理主義者を任じる主人公が、徹底的に共産主義者を見くだし*1、感情で動く敵兵を嘲笑する。ある種のミリタリ趣味者に向けた、シニカルな作品としては完成度が高い。敵を景気よく倒していくエンタメとしての爽快感もあるだろう。

ただ、そういう主人公の傲慢さが状況を見誤らせたり、敵の感情的な行動で足をすくわれるような、主人公をも冷静に俯瞰するような作りではない。そうした失敗によって主人公が転生したという根幹設定を理解しているかどうかで、いくらか評価が変わってくる作品だ。

*1:なぜ主人公が共産主義を嫌うのかが説明されていないので、ここでは主人公こそが最も感情的に見える。敵国の首脳部は愚鈍だったりペドフィリアだったりと嫌悪感をもよおさせるキャラクターだが、それと主義の問題はまた別のはずである。共産主義全体主義と呼んで批判するが、現実で「ファシズム」を名乗っていたのは主人公陣営のモデルとなったドイツの同盟国イタリアだ。