フリームービーメモ@はてな

GYAO!、YOUTUBE、バンダイチャンネル、ニコニコ動画、等々で公式に無料配信されているアニメや映画の情報や感想

個性的な客のひとりとして細菌兵器の感染者を乗せて、美しい列車がヨーロッパを横断する『カサンドラ・クロス』(02:08:38)配信期間:019年5月23日〜年6月22日

 1976年のイギリスとイタリアの合作サスペンス映画。ソフィア・ローレンが作家を主演して、元夫の高名な医師と協力し、解決への努力をつづける。

gyao.yahoo.co.jp

イギリス映画らしい淡々と抑制されたサスペンスがつづくなか、ふいにイタリア映画らしいショッキングな情景が展開される。

 

全てを秘密裏に収拾しようとする超大国の思惑という外枠と、感染が疑われる一般客がどのように個人としての尊厳を守るかという内枠。

疾走をつづける列車を主軸として、同時進行するドラマは動きを止めず、刺激的な場面こそ少なくても中だるみしない。主な舞台が限定されているおかげで、登場人物がいりみだれても物語を追いやすい。

大国の思惑で動く軍人も、幼稚な犯罪者も、善悪の両面がある。特に、軍人の陰謀が直接的に手を下す方法とは違って、一種の確率的に期待するだけというあたりにリアリズムがある。

理想を目指して一定の成果をはたしつつ苦味を感じさせる結末も大人な雰囲気だ。全てを闇に葬ろうとする側もしょせんは権力の駒でしかないし、しかし生き残った個人が真実を広められる可能性も残されている。語りすぎない結末が味わい深い。

 

現在から見るとテンポはゆるく、アクション描写も牧歌的だが、当時の美しいヨーロッパの風景を切りとった映像は、現在では新たな価値がある。

ほとんどBGMを鳴らさず、実景の空撮と実物大のセットを活用した映像は、今見てもあまり古びていない。

さすがに終盤に合成が明らかな場面もあるが、つづけてスタントマンが命がけのアクションをおこなったり、ミニチュア特撮も巨大かつ精密な作りで、これはこれで時代を感じさせて楽しい。

 

見おろす犯罪者vsまなざす警察官『監視者たち』(01:59:13)配信期間:2019年5月15日〜6月14日

2009年の香港映画『天使の眼、野獣の街』をリメイクした2013年の韓国映画。初無料配信を約1ヶ月。
gyao.yahoo.co.jp

警察の監視班に配属された完全記憶能力をもつ新人女性と、高所から観察して現場に的確な指示を与える犯罪組織の指揮者。

 まだまだ未熟な主人公の言動で息抜きし、隙のない犯罪者の暴力で緊張感をもりあげる。

 

監視カメラを駆使した最新技術と足を使った尾行術、主人公の特殊能力を組みあわせ、見せ場たっぷりの洒脱なサスペンスとして完成した。

現代韓国映画らしくカーチェイスも肉弾戦も標準以上。都市のさまざまな空間を撮影現場として使って、画面にまったく安さを感じさせない。群衆から監視対象を見つけるまでの流れるようなカメラワークと、迫真のアクションで手ぶれさせるカメラワークとの切りかえも見事。

序盤の自動車炎上の遠景だけやや合成っぽさが出ていると思ったが、他のVFXはハリウッド映画などと比べて遜色ない。

 

ひとりだけ高所から指示を出す犯罪者リーダーは、本人にミスはないのに現場とのコミュニケーション不足から追いつめられていく。

同じ目線の高さから協力する監視班は、法律で行動をしばられ、現場で傷つきながらも、真犯人に肉迫していく。

素っ気ないタイトルだが、本編を見た後では味わいが変わって感じられる。基本は普通のエンタメだが、それ以上の深味もある作品だ。

ロマンポルノの枠組みで展開される共依存ホラー『ホワイトリリー』(01:20:15)配信期間:2019年5月13日〜6月12日

一時代をきずいた日活ロマンポルノのリブート企画として、『リング』の中田秀夫監督によって2016年に作られたオリジナル映画。ログイン必須。

gyao.yahoo.co.jp

コメンテイターとしても活躍する女性陶芸家と、それを内弟子として支えるヒロイン。奔放な師の満たされない性欲までヒロインが助ける。そこに新たな弟子となった男があらわれ、ふたりの女性の関係がゆがみを増していく……

 

リブート企画のコンセプトにあわせて尺は短く、ポルノ作品としてもR15ですまされるくらい淡白。

乳首くらいは映るが、局部を映さないのでボカシやモザイクがかからず、低予算なりにけっこう映像の風格がある。

暗がりを強調した照明演出や、BGMが少なく環境音を重視した音響演出など、愚か者たちが狭い視野でたがいを束縛していくサスペンスとして、けっこうな佳作になっている。

 

そもそもセックスシーンの大半が登場人物の心のすれ違いを表現するために描写されており、見て興奮できる人は少なそうだ。主人公格の好きな人が誰かに寝取られる、いわゆる「NTR」で興奮できる人は楽しめるかもしれないが。

たがいをいたわる数少ない師弟のセックスシーンもあるが、百合を散らした空間での観念的な描写に終始していて、関係性も対等ではない。あくまで共依存の究極系として同性でのセックスもするというくらいの描写で、あまり女性同性愛という観点からは評価しづらい。