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フリームービーメモ。GYAO!、YOUTUBE、バンダイチャンネル、ニコニコ動画、等々で公式に無料配信されているアニメや映画の情報や感想

『ジュエルペット ハッピネス』のスタッフによる最新サンリオTVアニメ『ミュークルドリーミー』(第1話~最新第24話)配信開始:2020年9月19日

2020年4月にはじまったサンリオキャラクターのTVアニメが、これまで放映した全話を無料配信。

natalie.mu

第1話はすでにずっと無料配信。

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「おさらい☆ミュークルドリーミー」と題された本企画では、これまでのエピソードを毎週末に最大5話ずつ一挙配信。すべてチェックしていけば、10月18日放送の25話で、最新のエピソードに追いつくことができる。 

 細かいスケジュールは下記のとおり。

2~6話:2020年9月19日(土)0:00~9月22日(火)23:59
7~11話:2020年9月26日(土)0:00~9月28日(月)23:59
12~16話:2020年10月3日(土)0:00~10月5日(月)23:59
17~21話:2020年10月10日(土)0:00~10月12日(月)23:59
22~24話:2020年10月17日(土)0:00~10月19日(月)23:59 

スタッフはサンリオアニメでは『ジュエルペット ハッピネス』の流れだが、桜井弘明監督とJCスタッフ制作というくみあわせは『まちカドまぞく』がスマッシュヒットしたことが記憶に新しい。

なお、ほとんど無料配信をおこなっていない作品だが、Abemaビデオでのみ最新話が1週間無料となっている。第25話以降はこちらで無料視聴が可能だ。

abema.tv

少女だけの寄宿学校を舞台とした韓国版エコール『京城学校:消えた少女たち』(01:39:17)配信期間:2020年8月22日~9月11日

植民地状態の朝鮮半島を舞台とした、2015年の韓国映画。以前にも無料配信された作品が3週間無料。

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森の奥に建てられた当時では最新の校舎に、ひとりの少女が転校してくる。「静子」という日本名をつけられて。

「静子」は体が弱く、級友から疎外されていたが、身体能力が優秀な「和恵」と仲良くなった。

しかし「静子」は以前に同名の少女が消えたことを知り、やがて恐怖に飲みこまれていく……

 

リリカルで百合っぽく、謎めいたサスペンス展開は小説『ミネハハ』を原作とする『エコール』や『ミネハハ 秘密の森の少女たち』のよう。

白い制服を白人の少女たちが身にまとったそれらの映画に対して、こちらは黒髪の少女たちが黒い制服を身にまとう。前半の息苦しい雰囲気は素晴らしい換骨奪胎だ。日本映画的なホラー演出もよくできている。

ただし日本人の観客としては、劇中の日本語がたどたどしいことは気になる。日本語の台詞にもカッコつきで字幕が表示されるほど。なかには日本人になろうとする朝鮮人もいるのだが、おそらく最初から日本人の設定と思われるキャラクターも日本語の下手さは大差ない。吹替版があればそれを鑑賞したのだが……

 

そしてちょうど映画の中盤から、一気に恐怖が明確な姿であらわれるだけでなく、物理的な脅威として恐怖が描かれていく。

そこには空想科学的な真相が隠されていて、日本軍の科学力もかかわってくる。かつての欧米ホラー映画の設定にナチスドイツの超科学が利用されていたようなものだ。

もちろん現代の韓国映画らしく描写のひとつひとつはよくできてはいる。特に脱出しようとする少女たちを絶望につきおとす光景は完成度の高い映像技術で処理されていた。

少しずつ段階を踏んでサスペンスから歴史SFへ変化しているので、実際に見ると違和感はあまりない。少女たちを虐げる側にも力関係があると示していく展開も悪くなかった。「刺繍」の描写はひさびさに韓国映画の暴力の凄味を感じた。

ただ、日本軍と少女が格闘戦をくりひろげる場面はさすがに「何を見ているんだろう自分は?」という気分をおぼえたし、前半で期待させたリリカルさが後半では薄くなっていくので、あくまで『エコール』的な部分はプロローグと理解して観るのが良いだろう。

霧の奥深くに隠された韓国社会の闇が、海の奥深くへ消えていく……『海にかかる霧』(01:50:50)配信期間:2020年9月15日~10月14日

『パラサイト 半地下の家族』のポンジュノ監督が脚本をつとめ、脚本家のシムソンボが初監督した2014年の韓国映画。初無料配信を約一ヶ月。

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儲けが上がらず悩んでいる漁船が、中国の貧しい移民を密航させて利益をえようとした。

個性豊かな男女を船倉に隠して、海上での検問をごまかした船長だが、大問題が起きていた……

 

2001年に発覚した陰惨な事件をもとにした舞台劇『海霧』。それを社会派海上サスペンスとして映像化した。

貧しい漁師たちと、それより貧しい密航者たち。いったん社会の底で生きのびようと協力しながら、しょせん力関係から一方的な搾取でしかないことを暴き出す。

貧しい世界を表現するにあたって、きちんと予算をつかったセットやVFXを用いているところが見どころだ。小さいなりに遠洋漁船のセットは広々と作ってウェザリングをほどこし、背景との合成も違和感ない。

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貧しい社会問題を予算をつかった大作として制作できたところは、『パラサイト 半地下の家族』につながる韓国映画の力だろう。

かつては日本映画も黒澤明監督の『悪い奴ほどよく眠る』のように大作映画にできる力があったが、近年は是枝裕和監督のようなドキュメンタリー出身監督が低予算なりにそつなくこなした佳作が目立つ。