リュック・ベッソンのB級SF映画愛が炸裂した大作『フィフス・エレメント』（02:06:30）配信期間：2017年7月31日～8月13日

1997年の大作SF映画が、吹替版と字幕版の両方を公開。

この映画を作るため低予算で撮った『レオン』との落差が激しく、公開当時は不評意見も多かった。

『ブレードランナー』等の影響を色濃く受け継ぎながら、思わせぶりな要素が滑っていて、ボンクラ感がただよう。近未来都市での物語が始まるまでが長すぎるため、B級映画としても娯楽性が弱い。

とはいえ、現在になって見るとVFXがCGをメインにする直前の、ミニチュアや合成を多用した映像は悪くない。絢爛豪華な衣装にはフランス映画らしさもある。ミラ・ジョボビッチの『バイオハザード』へつながるB級映画遍歴の始まりでもある。

『魔法少女まどか☆マギカ』の監督が作家性を前面に押し出したゴシックホラー『コゼットの肖像』（全3話）配信開始：2017年8月7日

GYAO!OVA

2004年から販売を始めた各巻40分未満のOVA。月曜1話ずつ更新されるが、第1話は9月3日まで無料。

新房昭之監督による暗い色調の、無機質なアニメオリジナル作品。後の『化物語』に見られるような過剰な台詞はなく、静かに冷えたストーリーが展開される。

OVAだけあって映像は絶品。アニメらしく巨大な瞳の少女が立体として破綻せず作画され、まるでビスクドールのような雰囲気をたたえている。

井上麻里奈の声優デビュー作としてもチェックしておきたい。

GYAO!TVアニメ

TVアニメ1期と2期のリメイク映画版に続いて、TVアニメ3期も初配信。更新カレンダーに掲載されていないが、6話ずつ1週間配信すると思われる*1。すでに公開されている6話までは8月10日まで無料。

完全新作映画『魔法少女リリカルなのはReflection』の宣伝をかねた配信だろう。

1期2期で主人公だった魔法少女なのはは組織の一員となり、その部下として教育を受ける新キャラクターすばるが主人公。いかにもな魔法少女らしさは変身シーンくらいで、攻撃の手段は格闘戦や銃撃戦。

この3期を境界線として、シリーズは少女バトルアニメへ完全に舵をきる。魔法は戦闘のための技術であり、少女が世界に対峙するためではなく組織の一員として力をふるうために変身する。ダークであっても主人公が魔法少女になることに物語の意味があった『魔法少女まどか☆マギカ』とはベクトルが異なる。

少女がメインキャラクターなだけで、ジャンルとしては架空警察ドラマに近いといっていい。そうと理解すれば、力の入ったバトルが楽しめるだろう。放映版はかなり映像が気まずかったが、配信されているのは修正版*2なので、そこは心配する必要はない。

*1:追記：2度目の配信で7話から13話まで配信されたので、全話を4週にわけて配信する予定と思われる。

*2:OPのキャラクター紹介で、画面上下の帯が半透明からメタル調になった変更がわかりやすい。