2013年のオーストラリアとシンガポールの合作映画。サメに食われた死体などが何度もはっきり映るので、R15で要ログイン。
海水浴場でホオジロザメに知人が食べられてから1年。男はスーパーマーケットで働いていた。そこにシンガポールから帰ってきた女が、たまたま現地の恋人とともに客としておとずれた。
そして万引き少女が父親の警官にひきわたされたり、強盗をたくらむ二人組がおとずれたり、スーパーマーケットらしいトラブルが発生するなかで、津波が発生する……
もとは3D映画として作られた、サメ映画には珍しく予算をつかった映画。
半地下のスーパーマーケット売り場と、地下駐車場の大きなセットを用意。さらに津波でそれらを水没させ、状況変化に富んだ決死のサバイバルを描き出した。
反水没したセットはよく作りこんでいるし、それゆえ小道具を集めてサバイバルする展開に説得力がある。サメのプロップも良い出来だ。VFXも後述の質感に目をつぶれば、かなり力が入っている。
ただ本来は3D映画であるため、奥から手前に破片や動物が飛ぶシチュエーションが多すぎたり、立体感を優先してCGに質感が欠けている欠点はある。これは3D映画を2Dで視聴する時の特徴なので、残念ながら納得するしかない。
意外とシナリオもきちんとしている。
津波によって客の大半が死に、登場人物が整理されて物語がわかりやすく、大作なのに大味ではない。大勢が棚の上に逃げた売り場と、自動車に閉じこめられた暗い駐車場とで、危機の大きさやドラマの重さなどを変化させ、飽きさせない。
やや特殊なトラブルが偶然に重なりすぎというシナリオの都合は気になるが、個性たっぷりな登場人物を設定して、誰が何をしたいのかという区別をつけやすい良さはある。何より間断なく事件が発生して、娯楽サスペンスとして緊張感がたもつのが素晴らしい。
登場人物はそれなりに知恵をはたらかせて奮闘する。B級サバイバル映画にありがちな愚行で無駄に犠牲者が増えていくだけの単調な展開ではない。ちょっとしたどんでん返しにも感心させられた。