2007年のSFホラーを初無料配信。残酷な描写が多いためかR15で要ログイン。
スティーブン・キング原作のホラー小説『霧』を、同原作者の『グリーンマイル』等の感動的な映画化で知られるフランク・ダラボン監督が実写化。
映画の開始早々に異変が始まり、田舎町が霧に覆われていく。スーパーマーケットにたてこもりながら、徐々に人々は事態を認識しながら、その対処をめぐって分裂していく……
動きがとれない状況を描いた作品だが、さまざまな怪異が次々に展開されて、娯楽作品として中だるみしない。
恐怖とストレスに満ちた状況をくぐりぬけた果てに、主人公はあぜんとするような結末をむかえる。
まずは事前情報を持たずに視聴してほしい作品だ。
さて、どれほど悲惨なサバイバルであっても、少なくとも主人公は共感できる存在であることが多い。
しかしこの映画は、群像劇の構造で物語を展開しながら、主人公の主観で描かれていることが特色だ。
十年以上前の公開当時、観客に衝撃をあたえた結末は、あまりにも悲しく皮肉めいている。
極限状況でも視野を広げること。違う考えを全否定しないこと。あきらめないこと。その大切さがSFホラーとして描かれた。