シリーズ3作目にあたる1992年の米国映画。監督はイギリス出身のアンソニー・ヒコックス。
作品説明に登場するマッチョな男は意外と早めに退場し、いつものように女性が追いつめられるホラーが展開される。
鍼灸用の頭部模型からデザインが着想されたピンヘッドを、退場した前作からどのように復活していくかを描く。
当時最新のデジタル技術も駆使した幻覚描写や、街の一角を炎上爆発させてヒロインを追いつめるクライマックスなどは見所がある。
しかし前作まではホラー映画らしい凶悪な行動をとるのは欲望にまみれた人間で、ピンヘッドたちは善悪とは別次元の超然とした態度でふるまっていた。
それが復活しかけた序盤で小物のような言動で人々を操ろうとして違和感があったが、やがてピンヘッドのなかの怪物人格が独立して復活をねらい、人間人格がそれを押しとどめようとしていたことが明らかにされる。
なので設定的な違和感は減ったのだが、ピンヘッドの底知れない存在感という良さが軽減したことには変わりなく、種明かしされた手品のような残念さを少し感じた。魅力的なサブキャラクターが全て新たな魔導士になってしまう絶望感は良かったが、それもまた同時に残念感があった。