戦場カメラマンを題材にした、『ノー・マンズ・ランド』の監督による2009年の作品。
周辺国からの侵略を受けつづける中東クルディスタンで、取材に向かったカメラマン2人組のうち、1人だけが帰国する。
心身ともに傷ついたカメラマンが、自らの傷と罪に向かいあおうとする苦難を描く、ジャーナリズムドラマ。
アイルランド、スペイン、ベルギー、フランスの合作で、あまり大作らしい風格はない。いくつか描かれる戦闘も散発的で、さほど予算はかかっていなさそう。
しかし中東の美しい風景と、誰も知らない戦場のやるせなさ、むなしい結末にいたるまで、ていねいにまとまっている。一見の価値あり。