1988年のアフガニスタン戦争を題材にした2005年の映画。今年7月に初無料配信された作品が、早くも1ヶ月間再配信。
ソ連崩壊以降、しばらく大作映画を発表しなかったロシアが、国際市場におくりだしたオーソドックスな戦争映画。
『第9中隊』というタイトルだけ発表されていた予告段階から戦争映画愛好家に期待され、しっかり応えてくれた作品だ。
普通の若者が訓練により兵士となっていく前半から、実際の戦場で心身をすりへらしていく後半まで、意外性はないが現代映画の水準はきっちり超えている。
ロシア軍の全面協力によって実在兵器が多数登場するだけでなく、それらが破壊されるVFXも少量ながらクオリティは高い。
アフガニスタン現地人と理解しあおうとするドラマもきちんと描いて、一方的にイスラム教徒を敵視しないバランス感覚もいい。
乾いた山岳地帯の風景もアフガニスタンらしい雰囲気があり、一見の価値はある作品だ。