1969年のモダンなサスペンス映画。イタリア滞在中に連続殺人に巻きこまれた作家を描く。
序盤のガラス張りの殺人事件というシチュエーションの面白さと、間の悪い主人公に襲いかかる危機の数々というサスペンスで、見ている間はそこそこ楽しい。
どんでん返しは現代では珍しいものではないし、真犯人の動機などで謎解きは甘いところもあるが、真相を理解してから序盤を見返すとサスペンス性が増大するしかけはよくできている。後年の代表作『サスペリアPART2』のプロトタイプといったところ。
ダリオ・アルジェント監督のトリッキーなサイコサスペンス『サスペリアPART2 完全版』(02:06:35)配信終了日:2017年4月20日 - フリームービーメモ@はてな
もうひとつ面白いのが、前時代的なサイコサスペンスながら、性的マイノリティを安易に異常者あつかいしないところ。被害者のひとりはレズビアンだが、良くも悪くも深入りしない。警察が性犯罪的な過去がある容疑者をずらっと並べる場面では、最後に出てきた女装者を除外するよう上司が指摘する。
この字幕、見れば見るほど味わいぶかい。