自転車レース漫画を原作として大ヒットしたTVアニメから、そのままスタッフがスライドした完全新作映画。2015年8月に公開された。
年末年始にかけてのアニメ無料配信特集の一環で2週間無料配信。
ストーリーは原作者が原案を担当。インターハイの決着がついたTVアニメ2期の最終回ごろから、主人公の先輩巻島が旅立つ3期序盤あたりまでの短い時間を描く。
熊本火の国レースは劇中でも非公式あつかいだが、インターハイの雪辱を期して、TVアニメ1期2期の各ライバルチームが再結集。巻島が欠けた主人公チームにいどむ。
物語はTVアニメの延長だが、この映画だけでも最低限の説明はなされており、きちんとまとまっている。
登場人物が多いので、TVアニメや原作漫画で事前情報を持っているほど楽しめるだろうが、主人公のオタクぶりなど本筋にかかわる情報は序盤にきちんと描かれている。
映像もTVアニメと比べて違和感なく、かつ全体的にスクリーン映えするようクオリティアップ。特に冒頭の秋葉原は背景美術がリアルで、キャラクター作画も引いたカメラワークで映画らしい風格を感じさせる。
くまモンが公式ライセンスで全面的に登場することや、熊本の街並みや山並みの風景も目新しいのも楽しい。
ただ、インターハイで活躍しなかった熊本チームが、今度は地形を知っているなどの優位性をにおわせたわりに、実戦ではパッとしない。
この映画で初登場となったエースも、主人公やライバルを抜いたのは1度だけで、すぐ抜き去られて記録にも残らない。先輩が抜けて気落ちしている主人公を見て、その実力を低く見積もっていたという失態つき。
そもそも劇中でもホームの人気こそ集めているが実力では格落ちチームあつかいされている。あくまで映画限定のゲストであり、本筋を邪魔しないため強くさせなかったととらえるべきだろうか。