学研70周年を記念して、1958年から1970年代にかけて制作していたアニメーションを特設サイトで配信。毎週水曜日更新。
学研は、国内のアートアニメーション業界がまだ黎明期だった1958年、人形アニメーション映画「注文の多い料理店」を制作し、注目を集めました。アニ メーションはおろか、映画制作さえ初心者の集まりだった、当時の学研映画局でしたが、その後は社員演出家、社員プロデューサーを育て、のちに日本のアート アニメを発展させた名監督として、世界的に名を残す渡辺和彦氏らを輩出しました。また学研本社（当時：東京都大田区）の近くに映画撮影専用スタジオを建て 制作体制を整備したことで、1950～70年代にかけて、およそ40作品の人形アニメ作品を制作します。
国内外で賞を受けたという作品群は、学研らしく教養を感じさせる題材が多い。現在は『注文の多い料理店』をはじめとして、3作品が公開されている。
モノクロの人形アニメという歴史を感じさせる表現ながら、時代をこえて刺激的な原作の魅力を出している。森の中をさまよい歩く場面の、奥行きある木々の配置がすばらしい。料理店で真実に気づいた猟師たちを、鍵穴から猫の目がのぞくという表現も印象的だ。
