人民寺院事件をモデルにした2014年の米国映画が初無料配信。
フェイクドキュメンタリーオムニバス映画『V/H/S』シリーズの1エピソードを手がけたタイ・ウェスト監督が、製作総指揮と脚本を兼任。
森の奥で平和に暮らしている小さな宗教団体が、ささいな行き違いと狂信によって破滅に転がりこんでいくまでを、教団取材者の視点で描く。
いわゆるフェイクドキュメンタリーと呼ばれるジャンルの作品であり、登場人物が撮影した映像のみが使われ、独特のリアリティと迫真性がある。取材者が教団へ疑問を素直にぶつけることで、カルト教団の主張を一方的に聞かなければならないようなストレスもない。
少なくないフェイクドキュメンタリーが制作リソースの不足をごまかす手段として選ばれているが、この作品はしっかりと教団の住居群をオープンセットで設置し、事件が始まってからは危機につぐ危機で飽きさせない。
前半の不安をただよわすだけの取材はやや中だるみしているが、オカルトに傾倒しないカルト教団ホラー映画という珍しさもあり、一見の価値はある。