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【再配信】古典的な美少女変身アクションのキューティーハニーを、意外と悪くない近未来SF映画へアレンジ『CUTIE HONEY -TEARS-』(01:32:12)配信期間:2020年12月6日~12月19日

2016年のアクション映画を無料配信。監督はTVアニメ『攻殻機動隊 S.A.C.』のOPなどを手がけたMV演出家のA.T.と、同じくMV演出家でありVFXスーパーバイザーのヒグチリョウ

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近未来の日本、上層と下層にわかれた特殊区域で、自らの造ったアンドロイドを如月光四郎博士が逃がした。

アンドロイド如月瞳は下層階に落下し、ひとりの少年を助けた後、下層階の住人に娘のように育てられた。

20年後、謎のヒーローとして下層階で活躍していた如月瞳は、汚染をたれながす上層階への反乱へ巻きこまれる……

 

1970年代の永井豪による漫画*1を原作として、山崎貴監督作品のVFX制作で知られる白組のスタッフが映像化。アニメ企画をおこなった東映が配給した。

漫画やアニメの設定を引用しつつ、かなり換骨奪胎して、『ブレードランナー』的なディストピアSF映画を日本風に作りあげている。

しかし白組がかかわった作品らしく、予算と技術内でできることをやりきって、意外と絵作りがいい。VFXで作られた上層階の建築物はみごたえがあり、物語のポイントとなる汚染物質の雲も期待以上にリアリティがある。廃工場もていねいに改装し、立体映像の看板などを追加して、近未来の貧民窟らしく見せている。

汚染された雨が降りつづけるというベタベタな設定でも、屋台などに透明ビニールの雨よけをできるだけ設置することで、そういう世界だという実感が生まれる。

アクションも予想以上にいい。特撮TVドラマ『牙狼-GARO-』やTVドラマ『キューティーハニー THE LIVE』で見事なアクション演出を展開した横山誠がアクションコーディネーターとして参加。短いカット割りでごまかしているところも多いが、日本映画としては充分な出来栄え。これが映画初主演となる西内まりやの回し蹴りはなかなかのもの。

ポップなビジュアルにアレンジしがちだった過去の実写化と比べれば、けっこう原作のイメージにそっている。

 

SFアクションのリアリティを壊すようなご都合主義も散見されるが、そこで主人公が命をつないだ結果の異変を敵が察知したり、運よく助かるだけではないバランス。物語が動きつづけるので、中だるみせずに見ていられる。

約1時間半と短めなので、辛気臭い世界観のわりに、気軽にSFアクション映画として楽しめるのも良かった。

ディストピアSFとして全く新味のない展開に終始するのも事実だが、深夜ドラマの延長的な特撮ヒーロー物と考えれば、これはこれでいい。

 

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*1:厳密にはアニメ企画にあわせて作られたメディアミックス作品。