2012年の米国映画。監督のトーマス・ゴメス・ダラムは製作や脚本も担当しているが、この映画以外の情報が見当たらない。
公開時期に比べて微妙に映像技術が古めかしい。
もちろん世界線などはデジタルCG技術で表現しているが、巨大なタイムマシンはレトロ感あふれるミニチュア特撮で表現していたりする。
物語も一般的なハリウッド映画などと比べて、序盤の状況がこみいっていてわかりにくい。物語が進むにつれて設定や人間関係が少しずつわかってくるが、明確な落としどころは見えてこない。
ただ、妊婦となったヒロインが腹の出た状態で異能を使うビジュアルの面白さや、次々に謎のイベントが発生するテンポの良さはあって、よくわからないなりに楽しむことはできる。
実のところ結末にいたってもどのような話なのかよくわからなかった。SFとして斬新なところがある作品とも感じなかった。
しかし、滅びゆく未来と人々が生きる現在を往来して、出口を目指してあがきつづけるドラマとして、ふしぎと雰囲気のある作品だった。
たまにはこういうアメリカSF映画があっても良いようには感じられたのだ。