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記録映像から大量殺人の謎を解こうとする、スラッシャーホラーと警察ドラマの融合作『エビデンス ―全滅―』(01:33:28)配信期間:2018年7月13日~8月12日

 

2013年の米国映画が、何度目かの無料配信。監督は『THE 4TH KIND フォース・カインド』のオラトゥンデ・オスンサンミ。

gyao.yahoo.co.jp

事件後に残されたフィルムという体裁の映像を見せる、いわゆる「ファウンドフッテージ」と呼ばれる映画ジャンル。

素人の撮影という設定のため、カメラワークにこる必要がなく、情景の全体を作りこまなくてもいい。リアリティを低予算で演出しやすいため、粗製乱造されてきた。

しかしこの作品は冒頭からCGを使って低予算でないことをアピールし、ファウンドフッテージに必然性があることを予告する。

 

実際に本番の事件でも、バス一台を丸ごと使い捨てるし、殺人鬼の姿や殺人方法も手間がかかっている。

普通にスラッシャーホラーの水準を超えるくらい手間暇をかけていて、たとえファウンドフッテージでなくても楽しめただろうと思わせる。

映像作家志望のヒロインがもつカメラだけでなく、携帯電話などでも映像が残されていて、ファウンドフッテージにしては多角的に現場を見られるのもいい。

さらに、残された映像を警察が論評して、さまざまな処理をほどこす場面が挿入されて、映像に緩急が生まれている。

ファウンドフッテージにありがちな、手振れカメラの気持ち悪さや、無駄な映像の多さがないわけだ。

 

 

素人が撮影したという体裁の映像を見るジャンル「POV」や「ファウンドフッテージ」「モキュメンタリー」を許容できる人にオススメ。

そうしたジャンルを念頭におきつつ、分解して再構築したような映画になっているので、ちょっと違和感をもつ人でも楽しめるだろう。

ダブルヒロインをはじめとして、俳優が全体的にいい顔がそろっていて、演技も問題ない。

映像を使った謎解きサスペンスとしても意外と作りこんでいて、けっこう結末には驚かされた。