2006年に公開された、第一次世界大戦の実話にもとづく物語。『暴れん坊将軍』の松平健が主演をつとめ、巨大オープンセットは観光のため2015年まで一般公開されていた。
当時の日本は先進国に仲間入りしようとして、捕虜を人道的にあつかっていたという。
しかしこの映画は単純に過去の日本を賛美するような、安易な物語ではない。序盤において別の収容所で捕虜が虐待される描写もある。収容所の所長が会津出身であるため、明治時代に苦労して、それが敗者への共感につながった背景もある。
同時に、そうした背景はあくまできっかけとして、純粋に他人を思いやる大切さを歌いあげていく。
21世紀の映画としては演出や美術に古臭さを感じないでもないが、きれいにまとまった歴史映画として見て損はない。