2015年に作られ、さまざまな映画賞を総なめにした短編作品。ホラー映画の死亡フラグを律儀に立てていくヒロインが、あらわれた切り裂き魔と対決するまでを描く。
基本情報は下のブログでくわしくまとめられている。
おもしろいのは、ヒロインが切り裂き魔に襲われて次の物語へ続くまでを、すべて1カットで撮っていること。かつてヒッチコック監督が『ロープ』で試みて、近年では『ヴィクトリア』が長編1カット撮影で成功させた手法。この作品においてはカットを割らないことで緊張感がとぎれないことと、切り裂き魔の神出鬼没ぶりを強調する演出として効果をあげている。
屋内で物語を終始させながら、玄関へ移動したり今と台所を行き来することで、ちゃんと映像に変化があることも嬉しい。切り裂き魔とヒロインの格闘戦は1カットとは思えないほどカメラワークが激しく、攻防のかけひきもていねいに描写される。