制作会社スタジオカラーと映像配信社ドワンゴが組んで提供する、短編アニメ作品企画「日本アニメ(ーター)見本市」の第十七弾。
ある高級住宅に、ふしぎな男女が訪問してきた。住んでいる女性に対して、その住宅内で一週間前に殺人事件があったと主張するのだが……
『世にも奇妙な物語』の一編のようなサスペンス。タイトルの「三本」の意味が明かされた時、全てが腑に落ちる。
もともと前時代に一世風靡したアニメーターがいつものようにつくった作品であり、 映像も作品としても新味はまったくないが、ショートショートとしてまとまっている。ひとりが全体を統括したため、細部の小道具をつかって設定を説明できているところが見どころ。
監督や脚本およびキャラクターデザインや場面設定やレイアウトとして作品全体を統括したのは、うつのみや理。
1990年代はじめに日本のアニメ表現でブレイクスルーをはたしたアニメーターだ*1。劇画のように描きこむのではなく、シンプルな線で人物を立体として表現し、人形のように関節を重視して芝居させた手法は現代まで大きな影響を与えている。
ただしゲスト参加すると自分の絵柄を出しがちなので不評も多い。特に、口を立体的に表現しようとしてタラコ唇に見えてしまう問題がある。
あまりに立体的に正確な作画であるため、ネットでは「フルCGだけどちょっと動きがヘンなところも」とかんちがいしている感想もあった。「もうセルルック3Dにしたらいいじゃんと思う無機質な手描き作画の無駄な正確さ」という批判もあった。